円安が追い風、予想上回る好決算に-日本企業の4-6月期

日本企業の4-6月期決算は、アベノミクス による円安効果の恩恵で大半が市場予想を上回る結果となり、好調ぶり はアジア企業の中で抜きん出ている。

ブルームバーグがまとめたデータによると、1株あたりの調整済み 利益がアナリスト予想を上回ったのは東証株価指数(TOPIX)を構 成する銘柄のうち159社で、下回った97社を大きく引き離した。これに 対し、MSCIアジア太平洋指数(日本を除く)構成銘柄を見ると、市 場予想を上回ったのは74社、予想に達しなかったのが96社と逆転する。

中国市場で警戒信号が点灯しているのをはじめ、アジアのどの主要 市場も日本ほど健全と言える状況にはない。日本では株高が銀行の増益 に貢献し、円安がトヨタ自動車など輸出企業の業績を後押しした。同社 の4-6月純利益は6464億円と、最高益を連続更新した。

JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳チーフ・グロー バルマーケット・ストラテジストは電話取材に、「日本は抜きん出てい るというか、安定しているという感じだ」と話した。その上で新興国側 の問題として、「アジア諸国の景気が鈍化してきているのは間違いな く、それがしばらく続いてきた」と指摘した。

日本の企業収益の強さはまだ国の経済指標に反映されていない。世 帯支出は過去15カ月間のうち14カ月で減少している。6月の現金給与総 額も前年同月比2.4%減と2009年以来最大の落ち込みとなった。

安倍晋三政権は企業業績が好調なこともあり、国内での設備投資拡 大や給与の引き上げを求めている。これまでに約半数の企業が決算発表 を終了したが、この段階で増益となった企業数が減益となった数の約2 倍となっている。

アジアで際立つ

ブルームバーグのデータによると、日本の主要10業種全てで予想以 上の好結果を残した企業数が、予想に到達しなかった企業数を上回っ た。テクノロジー分野ではソニーやパナソニック、任天堂など市場予想 を上回る業績を残した企業が予想を下回った企業のほぼ2倍となった。

好業績の背景にある大きな要因の一つが円安だ。12年に安倍政権が 発足して以降、ほぼ一貫して円安基調が続いている。6月上旬には対ド ルで13年ぶりの円安水準となる1ドル=125円86銭を付けた。

日本企業の強さはアジア地域で際立っている。ブルームバーグのデ ータによると、インドネシアのジャカルタ総合指数を構成する銘柄で予 想を下回ったものが上回ったものより2対1の割合で多かった。

韓国の韓国総合株価指数(KOSPI)、インドのS&P・ BSE500指数、シンガポールのFTSEストレートタイムズ・オール シェア指数、台湾の加権指数(TAIEX)などを構成する銘柄では市 場予想に達しなかった企業が過半だった。これら市場では決算シーズン が日本より遅れているので、今後状況が変化する可能性がある。

中国の不振

中国では決算発表が本格化するのはこれからだが、各種経済指標の 悪化に対する警鐘は大きくなる一方だ。自動車販売台数が減少して製造 業の悪化に拍車を掛ける恐れがある。また、このところの中国株価の急 落は、これまでの金融部門の利益の剥落につながる恐れがある。

中国企業、とりわけ国有企業の収益が落ち込んでいる。中国国家統 計局が発表した6月の工業利益も前年同月比で減少した。

翻って、日本企業の予期せぬ収益改善は続いており、ブルームバー グのまとめによると、アナリストらは今期および来期の最高益更新を予 想している。

原題:Japan Outshines Rest of Asia This Earnings Season Amid Weak Yen(抜粋)

--取材協力:Brett Miller.

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