債券下落、利上げ観測受けた米債安で売り先行-長期金利再び0.3%台

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債券相場は下落。アトランタ連銀総裁の発言 を受けて早期利上げ観測が強まり、前日の米国債相場が下げた流れを引 き継いで売りが先行した。長期金利は0.40%での推移が続いた後、再 び0.3%台を付けている。

5日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回 債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値よ り1.5ベーシスポイント(bp)高い0.40%で始まり、その後も同水準で推 移したが、午後3時前から0.395%で取引されている。前日は0.385%と 約2カ月ぶり低水準まで達した。

新発5年物の124回債利回りは1bp高い0.09%。新発20年物の153回 債利回りは1.5bp高い1.16%で開始し、一時1.17%に水準を切り上げた 後、1.16%で取引されている。新発30年物の47回債利回りは1.5bp高 い1.41%で開始後、1.405%を付け、再び1.41%で推移している。

マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ 長は、「アトランタ連銀総裁の発言をきっかけに、米利上げ観測が強ま る中、利益確定売りが出た。米10年債利回りは2.4%台から低下してい たので売りが出ても仕方がない」と話した。円債については、「昨 日0.4%割れとなり、0.3%台に買い進めない域を脱したが、きょうはそ の反動で軟調だ」と説明した。

長期国債先物市場で、中心限月9月物は前日比9銭安の147円70銭 で開始し、その後は147円65銭付近でもみ合いとなった。午後の取引開 始後に一時147円61銭まで下落したが、取引終了にかけて下げ幅をやや 縮め、結局は11銭安の147円68銭で引けた。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「昨日はついに10 年債利回りで0.4%を割り込んだが、アトランタ連銀総裁の発言で9月 の米利上げ観測が息を吹き返した感があり、今週末の米雇用統計を前に 米国債に利食い売りが出た影響を受けている」と話した。ただ、「世界 的な景気減速の懸念があり、国内景気も盛り上がりに欠ける中では、金 利もなかなか上がらない」とも言う。

4日の米債相場は反落。10年国債利回りは前日比7bp上昇の2.22% 程度となった。原油相場の反発や、アトランタ連銀のロックハート総裁 が連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げの用意が整う位置に「接 近」しつつあると述べたことが売り手掛かりとなった。

日本銀行がきょう実施した長期国債買い入れオペ3本(総額1.2兆 円程度)の結果によると、残存期間1年超3年以下と、3年超5年以下 の応札倍率が前回から上昇した一方、5年超10年以下は低下した。オペ 結果の相場への影響は限定的となっている。

--取材協力:池田祐美.

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