ひょうたんから駒、ギリシャで現金至上主義覆すプラスの展開

ギリシャの銀行危機にもプラスの側面がある ものだ。プラスチック製のカード発行急増がそれだ。

現金至上主義で申告されない取引が経済の約4分の1を占めるとさ れる同国で、政府が銀行営業を停止した6月29日以降、デビットカード が約100万枚も発行されたのだ。資本規制の導入で闇取引が増えるとの 一部の心配とは逆の現象が起きている。銀行は3週間の休業後、7月20 日に営業を再開した。

アルファ銀行が7月に発行したデビットカードは22万枚前後で、昨 年全体の発行枚数を超えた。年金生活者らを中心に、現金自動支払機の 利用にはカードが必要であることが意識された結果だと、同行の家計向 け融資担当ゼネラル・マネジャーのレオニダス・カスミス氏が述べた。 資本規制導入後、スーパーやガソリンスタンドでのデビットカード払い は倍に増えたほか、都市以外での利用は3倍になったという。

同氏は「資本規制が大きな引き金になった」とし、カード払いは 「現金が限られている商店にプラスであるほか、銀行にとっても営業コ スト減につながる良い展開。しかし何よりも、経済全体にとって朗報だ ろう」と話した。

欧州中央銀行(ECB)によれば、ギリシャは欧州連合(EU)加 盟国で人口1人当たりの電子支払いが最小。このため、デビットカード の普及はギリシャにとって前代未聞の変化を意味する。

そもそも現金至上主義で闇経済が縮小せず徴税もお粗末な状態だっ たことが、ギリシャが救済を必要とする国になった理由の一つだった。 カード決済が増えればモノやサービスの売買が帳簿に載るため、こうし た問題の解決に役立つと、ユーロバンク・エルガシアスの副最高経営責 任者(CEO、リテールバンキング担当)のテオドア・カラントニス氏 は指摘した。

同国最大の銀行、ギリシャ・ナショナル銀行が過去4週間に発行し たデビットカードは40万枚以上となっている。

6月まで、ギリシャの年金生活者の大半はキャッシュカードでさえ 持っていなかった。営業停止となった銀行の前にぼうぜんと立ち並ぶ彼 らの姿は記憶に新しいところだ。今では、家族にカードの使い方を習う 高齢者の姿を見かける方が多いだろう。

アテネ中心部でアレクサンドロス・パパダキスさん(31)が働くカ フェでは資本規制導入以降、カードで払えるか尋ねる客が増えたとい う。「これがギリシャ人の日常になればいい」とパパダキスさんは述べ た。

原題:In Cash-Starved Greece, Plastic Casts Light Into Shadow Economy(抜粋)

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