プエルトリコの債務危機深刻化、政府系機関の支払い不履行で

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米自治領プエルトリコの債務危機が一段と深 刻化した。同自治領は1日に初めてデフォルト(債務不履行)状態に陥 った政府系機関や一般財源債の支払いを行う基金への資金繰り入れを停 止。自治領政府の今後の資金調達が危ぶまれる状況だ。

財政赤字の補填(ほてん)で長年借り入れを続けたプエルトリコが 破綻の瀬戸際に追い込まれる中、今回の出来事は投資家がさらされてい るリスクを浮き彫りにした。ガルシア知事は同自治領の債務720億ドル (約8兆9300億円)の再編を目指しており、債券保有者も負担を受け入 れる必要があると述べた。

プエルトリコは3日の米地方債規則制定委員会(MSRB)への届 け出で、130億ドル相当の一般財源債向け基金への毎月の支払いを暫定 的に停止したことを明らかにした。これに先立ち、政府系機関であるパ ブリック・ファイナンス・コープ(PFC)は8月1日償還のPFC債 の支払いを一部しか履行できなかった。元利合わせて約5800万ドルの支 払いが必要だったが、議会が十分な資金を割り当てなかったため、プエ ルトリコが支払った額は62万8000ドルにとどまった。

ハーバート・J・シムズ(フロリダ州ボカラトン)のクレジット分 析ディレクター、リチャード・ラーキン氏は電子メールで、「プエルト リコはいわば財政の自殺に向けて行動を起こした。債務支払いを怠った ことで信用力維持を全く意に介さない自治領政府の姿勢が示された」と 指摘した。

債券急落

プエルトリコの当局者らが米地方債市場で過去最大となる可能性が ある債務再編計画を推し進める中、今回PFCが支払いを完全履行でき なかったことは同自治領への圧力の高まりを際立たせる。景気低迷や米 本土への人口流出に苦しむプエルトリコが期日に償還できなくなるので はないかとの見方が広がり、プエルトリコ債の価格は急落していた。

プエルトリコの債務はカリフォルニア、ニューヨーク以外の48州を 上回る。プエルトリコ債は免税や高利回りで人気を博してきた。しかし 投資家がリスクに見合う利回りを求めるため、プエルトリコの借り入れ 継続は難しくなっている。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は3日の発 表資料で、支払いを完全履行しないという今回の決定でプエルトリコの 資金調達能力は損なわれ、手元資金不足は一段と逼迫(ひっぱく)する 恐れがあると分析。資金調達なしでは自治領政府の資金は数カ月で底を 突きかねないとの見方を示した。

米ブラックロックの地方債投資に携わるピーター・ヘイズ氏は「プ エルトリコは自分たちに支払い能力がないと投資家に伝えている。プエ ルトリコは全ての支払いを行うことはできず、選択する可能性がある」 と語った。

9月1日に提示

当局者らは一部の債務支払いを繰り延べる案を9月1日までに提示 する予定。どの債券保有者がどの程度影響を受ける可能性があるかにつ いては今後明らかにする。

プエルトリコ政府開発銀行の代表、メルバ・アコスタ氏は声明で PFCが支払いを完全履行できなかったことについて、「債権者への債 務残高と、それに等しく重要なプエルトリコ住民のための義務的経費に 同時に対応せざるを得ないプエルトリコの流動性をめぐる深刻な懸念を 反映する決定であり、住民に与えられるべき基本サービスを確実に維持 するためのものだ」と説明した。

原題:Puerto Rico Debt-Crisis Grows as Payments Halt, Agency Defaults(抜粋)

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