JT:今期純利益見通しを22%上方修正-自販機事業の売却が寄与

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日本たばこ産業(JT)は今期(2015年12月 期)の純利益見通しを従来比22%増の4710億円に上方修正した。撤退し た飲料自販機オペレーター事業の株式や飲料ブランドの譲渡益などが寄 与する。為替前提の円安とルーブル高への変更も利益を押し上げる。

アナリスト14人による予想平均4421億円を上回る。JTの従来予想 は3870億円。発表資料によると、飲料自販機オペレーター事業が8月以 降に連結対象から外れるため、売上高は従来見通しの2兆3800億円から 2兆3500億円に下方修正した。

世界各国で健康志向の高まりや規制の強化など、たばこ事業は厳し い環境に置かれており、JTは世界全体で需要の減少を見込んでいる。 こうした中、同社では持続的利益成長を目指し、米国の電子たばこ会社 を買収するなど事業投資をする一方、国内外で製造拠点の再編などに取 り組んでいる。

飲料の製造販売事業からは撤退した。飲料自販機オペレーター事業 会社と「桃の天然水」など飲料ブランドを約1500億円でサントリー食品 インターナショナルに売却。先月の発表資料によると、純利益が約1000 億円増加する見込みだとしていた。

「非常に一時的な要因」と売却益について宮崎秀樹副社長は3日の 記者会見で述べた。配当性向は50%を目指しているが、同売却益を配当 の計算に入れるか、「現段階ではコミットできない」と話した。

円安、ルーブル高

為替前提は1ドルを従来の115円と65ルーブルから、121円と57.5ル ーブルにそれぞれ変更した。JTは業績比較のための財務指標の一つと して、営業損益から買収に伴い生じた無形資産に係る償却費などを除い た調整後営業利益を公表している。為替前提の見直しなどにより、調整 後営業利益が280億円押し上げられる。

JTでは、海外たばこ事業で現地通貨建て売り上げをいったんドル を経て円建てに転換する。同社海外事業最大のシェアを占めるロシアの 通貨ルーブルは、ウクライナ問題をめぐる欧米の対ロシア制裁などの影 響で昨年対ドルで下落したが、今年2月から上昇に転じている。

JTは国内外で事業再編に取り組んでいる。ロシアのモスクワ工場 を16年末までに閉鎖し、同国内の別工場に製造機能を移管すると7月31 日に発表した。資料によると「度重なる増税や規制の強化、経済環境の 悪化」を背景に、ロシア市場の総需要が減少した。日本国内では工場の 閉鎖や営業拠点の再編、希望退職者の募集を13年に発表している。