ドル・円、上値レジスタンス突破に失敗も123円半ばの「雲」支え

ドル・円相場は7月に1ドル=124円台後半 のテクニカル的なレジスタンスの上抜けに2回失敗し、上値の重さが意 識されやすい半面、下値は一目均衡表の「雲」の上限でサポートされて いる。

ドル・円相場は6月5日のドル高値125円86銭から7月8日の安 値120円41銭までの下落幅の76.4%戻しが124円57銭となっている。7 月21日は124円48銭で同水準に届かず、27日に日足の一目均衡の雲の上 限で下げ止まった。その後、30日には124円58銭まで上昇したものの、 伸び悩み、3日の東京市場では124円を挟んで推移している。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、30日にいったん上値 の重さが確認されたとし、今週は7月の雇用統計など、米国で重要な経 済指標の発表を控えて、足元で123円47銭に位置している雲の上限を試 す可能性があるとみる。「雲の上限でドルの下値が止められた場合は、 再び76.4%戻しをトライし、同水準を突破すると、段階的に節目の125 円を試す展開もあり得る」と言う。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は7月28、29日に開催した定例 会合後の声明で、労働市場が改善していると指摘し、年内の利上げ開始 を引き続き検討していることを示した一方で、具体的な時期については 明確な示唆を避けた。

石川氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)が株式市場を動揺させ ないペースでの利上げに向けて地ならしをしている感があるとし、「そ の効果が出始めて、強い米国の経済指標が早期利上げ期待につながって も、株の下落幅が限られてきている」と分析。今週は指標の強さに対し て米株がどのような反応を示すかが、ドル・円のレンジ突破の鍵になる と言い、株式市場の大きな混乱が避けられると、米金利の緩やかな上昇 を背景としたドル高基調が鮮明になってくると見込む。

相場の「カタリスト」

米国で先週発表された4-6月期の実質国内総生産(GDP、季節 調整済み)速報値は年率で前期比2.3%増となった。今回は2012年以降 の数字を修正する年次改訂が実施され、1-3月期分は従来の0.2%減 から0.6%増に上方修正された。今週は3日に米供給管理協会 (ISM)が発表する7月の製造業景気指数などを皮切りに、雇用統計 まで重要指標の発表が続く。

しんきんアセットマネジメント投信の加藤純主任ファンドマネージ ャーは、非農業部門の雇用者数はもちろん重要だが、賃金、雇用コスト が9月までのところでどうなるかが相場の「カタリスト」になると指 摘。その上で、20万人台の雇用増が続くなら、9月利上げの可能性があ るとし、「8月は9月に向けて盛り上がる月になる」とし、125円をト ライすると見込む。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE