FT手放し教育事業に12億ポンド、ピアソンCEOは成長に自信

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)を売 却したほか、英経済誌エコノミストの持ち分の半分売却も検討している 英ピアソンは、拡大に苦しむ分野からの撤退で得る売却益を、伸び悩ん でいる教育事業につぎ込む方針だ。

ジョン・ファロン最高経営責任者(CEO)は、FTとエコノミス トの持ち株売却に伴う利益を使って、教育事業をてこ入れする計画だと 話した。教育事業では過去1年4カ月の間に、米国で重要な契約を3つ 失った。また教科書の売り上げ減に対応するため、人員削減を実施して きた。

ファロンCEOは電話インタビューで、教育分野には「多くのチャ ンスがある」とし、「強い自信がある。素晴らしい新製品を用意してい る」と続けた。

ニュース事業は低迷しており、FT売却で8億4400万ポンド (約1630億円)を得るほか、関係者によればエコノミストの持ち株売却 では売却益が最大4億ポンドに上るものの、一部のアナリストや投資家 は売却のタイミングに疑問を抱いている。ピアソンの株価は、同社が FTの売却を模索しているとブルームバーグが報じた7月20日以降、約 6%下落している。

スタンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、クラウディ オ・アスペシ氏は「コスト削減や、新たな体制を正しく機能させる取り 組みを続ける中で、なぜ今これらのブランドを売却するのだろうか」と 疑問を呈した。

ピアソンは教育事業に集中すべくこれまで、マダム・タッソーろう 人形館や米投資銀行ラザード、ワイナリーの仏シャトー・ラトゥールの 持ち分を減らしてきた。現在ピアソンは教育事業で最大手となってお り、売上高全体の93%を書籍やテストなどの学習教材が占めている。

デジタルへの移行

他の教科書出版会社と同様、ピアソンも学校向け教材で紙媒体から デジタルへの移行を進めている。ピアソンによれば、同社の売上高全体 に占めるデジタル媒体の比率は約62%と、2009年の44%から上昇してい る。

ファロンCEOは、ピアソンはオンライン事業へのシフトや新興市 場での事業拡大を進める中で、「心の痛む」リストラを実施してきたと 語った。13年初め以降、4000余りの人員を削減し、倉庫での教科書など 現物保管能力を半分に減らした。

ファロンCEOは「容易ではなかった」とした上で、「私の仕事は ピアソンの売り上げを再び伸ばすことであり、現在その計画開始に向け 状態は改善していると考えている」と続けた。

原題:With $1.3 Billion and No Pink Paper, Pearson Goes Back to School(抜粋)

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