長期金利が2カ月ぶり0.4%割れ、入札終え買い意欲強まったとの見方

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債券相場は上昇。長期金利は約2カ月ぶり に0.4%割れとなった。前日の米国債相場が原油安や弱めの経済指標を 背景に続伸したことに加え、きょう実施の10年国債入札を波乱なく終え たことが買い安心感につながった。

4日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回 債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ば いの0.41%で開始。徐々に水準を切り下げ、午後に入ると約2カ月ぶり に0.4%割れとなり、2.5ベーシスポイント(bp)低下の0.385%と5月29 日以来の水準まで達した。5年物の124回債利回りは0.085%と、新発債 として5月28日以来の低水準を付けた。

メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジストは、「午後に 入って先物や長期債が買われたのは、10年債入札が順調になるとの思 惑。結果自体は可もなく不可もなくということで売りに転じたが、市場 で金利低下のリスクを感じる向きは多そう。5年債など中期ゾーンには 外国人投資家の需要が入っているもよう。市場参加者の買い意欲が徐々 に強まってきた印象」と話した。

長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比3銭高の147円57銭 で開始した。午後に入ると一段高と水準を切り上げ、一時147円80銭と 中心限月の日中取引ベースで4月30日以来の高値を付けた。結局は25銭 高の147円79銭で引けた。

損害保険ジャパン日本興亜投融資部投資グループの石崎竜也グルー プリーダーは、「米国を中心に弱めの指標が出て利上げ観測がトーンダ ウンしているほか、商品市況安もあって、債券は売り材料に乏しく、底 堅い展開が続くだろう」と話した。

財務省が午後零時45分に発表した表面利率0.4%の10年利付国債 (339回債)の入札結果によると、最低落札価格は99円96銭と、事前の 市場予想を2銭下回った。小さければ好調さを示すテール(落札価格の 最低と平均の差)は4銭と前回の3銭からやや拡大。投資家需要の強弱 を反映する応札倍率は2.84倍と、1月以来の高水準となった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラ テジストは、10年債入札について、「平均落札利回りが0.40%だっとい うことで、0.4%割れでの入札もあったとみられ、長らく壁となってい た0.4%を割れたことが大きい。0.39%から0.40%にいったん戻した が、最低落札価格が予想を下回ったこともあり、売りが出たのだと思わ れる」と説明した。

3日の米債相場は続伸。10年国債利回りは前週末比3bp低下 の2.15%程度となった。原油先物相場が3月以来の安値に下げ、米供給 管理協会(ISM)が発表した7月の製造業総合景況指数が前月から低 下したことが手掛かり。同日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキ サス・インターミディエート(WTI)先物は大幅続落。ロンドンの北 海ブレント原油は1月以来で初めて1バレル=50ドルを割り込んだ。

--取材協力:Daisuke Sakai、赤間信行.