債券市場の殺りく前触れか-クローズエンド型の急落が占う未来

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レバレッジ(借り入れ)を利かせて投資を行 えば、大きく儲かるが負けた時の損失も大きい。クローズドエンド型ク レジットファンドの一部の投資家はこの事実に今まさに気付きつつあ る。

これらのファンドの投資口の価格は原資産の価値を下回る水準に急 落し、ディスカウントは米国の金融危機以来で最も大きい。トレーダー は投げ売り覚悟で処分せざるを得なくても、価値を失った投資口をバラ ンスシートから外したいと考えているようだ。

楽観的な見方を取れば、クローズドエンド型クレジットファンド は、39兆ドル(約4840兆円)規模の米国の債券市場の一部にすぎず、現 在の苦境は一時的な現象であり、より広範な問題を反映しているわけで はないかもしれない。しかし最悪のケースを想定すれば、米国の金融緩 和で前例のない規模に膨らんだ債券市場を待ち受ける一段と激しい売り の前触れとも考えられる。

ブルームバーグのデータによれば、「ブラックロック・コーポレー ト・ハイイールド・ファンド」(13億ドル相当)の投資口の価格は、原 資産の価値を15%下回っており、「ジョン・ハンコック・プリファー ド・インカム・ファンドⅡ」は約11%下回る価格で取引されている。

クレディ・スイス・グループのアナリスト、ショーン・シェプリー 氏は7月30日付のリポートで、「米国のクレジット市場で思いがけない 出来事が今起きている」と指摘。クローズドエンド型クレジットファン ドの投資口の価値急落について、「クレジット市場自体の流動性不足 と、末端の投資家のリスク回避の両方を示唆するものだ」と分析してい る。

クローズドエンド型ファンドは、集めた資金を通常はレバレッジを 活用した資産購入に充てる。投資家は中途解約できないため、投資から 手を引きたい場合には、取引所を通じて投資口を売却する必要がある。

原題:Exit From Leveraged-Credit Funds Seen as Sign of Things to Come(抜粋)