8月3日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:資源国通貨が下落、金融危機以来で最悪の年初来成績

3日のニューヨーク外国為替市場では資源国通貨が下落。中国の製 造業活動縮小の兆しを嫌気した。年初からの値動きは金融危機以来で最 悪となっている。

ブルームバーグ商品指数が約13年ぶりの低水準となり、カナダ・ド ルとオーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドルはいずれも米ドル に対して大幅下落。中国の製造業活動の指標となる政府発表の指数が5 カ月ぶりの水準に低下したことで、需要見通しが悪化した。

オッペンハイマーファンズのグローバル・マルチアセット・グルー プでマネーマネジャーを務めるアレッシオ・デロンジス氏は「やはりオ ーストラリアとカナダ、ニュージーランドの3通貨のショートは続け る」と話した。「商品相場が安定を取り戻すとしても、今の弱さがこれ ら国々に追加金融緩和を促すことになるだろう」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、カナダ・ドルは対米ドルで0.5% 安い1米ドル=1.3156カナダ・ドル。一時は2004年8月以来の安値を付 けた。豪ドルとNZドルはいずれも6年ぶり安値付近で推移している。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロンドン 在勤)は「資源国通貨には今もなおストレスがかかっている」と指摘。 「商品相場はまだ底打ちしそうにないが、そうなるまではしばらく下向 きのトレンドが続くだろう」と述べた。

同氏によれば、米ドルには引き続き「買い意欲がそこそこみられ る」一方で、カナダとオーストラリア、ニュージーランドの中央銀行は 追加緩和を検討しているもようであり、これら諸国の通貨には「まだ下 げ余地がある」。

中国の経済統計

中国の財新伝媒とマークイット・エコノミクスが3日発表した7月 の中国製造業購買担当者指数(PMI)改定値は2年ぶりの低水準に落 ち込んだ。中国国家統計局と中国物流購買連合会が1日発表した7月の 製造業PMIも低下し、エコノミスト予想を下回った。

ブルームバーグ商品指数は6月末から約12%下落。ニューヨーク原 油市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物 が急落。世界的な供給超過の長期化を懸念し、7月全体では2008年以来 で最悪の値下がりとなっていた。

BNPパリバの北米為替戦略責任者、ダニエル・カッツァイブ氏 (ニューヨーク在勤)は「価格を動かした最大の要因は商品相場の軟調 だ」と述べた。

原題:Commodity Rout Spurs Worst Resource-Currency Meltdown in 7 Years(抜粋)

◎米国株:下落、商品株が安い-アップルは調整局面入り

3日の米国株は下落。商品株が下落したほか、アップルが2月の高 値から10%を上回る下げを記録し、調整局面入りした。

S&P500種株価指数のうちエネルギー株指数は下落。この日ニュ ーヨーク原油市場でウェスト・テ キサス・インターミディエート (WTI)先物は大幅続落となった。アップルは2.4%安。タイソン・ フーズも安い。業績見通しの引き下げが売り材料となった。一方、フロ ンティア・コミュニケーションズは急伸。キャッシュフローや設備投資 の見通し引き上げが好感された。原油安を背景に航空株は上昇した。

S&P500種株価指数は前営業日比0.3%安の2098.04、一時は0.8% 安まで下げた。ダウ工業株30種平均は91.66ドル(0.5%)下げ て17598.20ドル。

パイオニア・インベストメント・マネジメントのファンドマネジャ ー、ジョン・キャリー氏(ボストン在勤)は「中国の統計内容が低調だ ったほか、全般的に海外の景気に対して懸念が高まりつつある。また米 国経済への影響も懸念されている」と述べ、「多くのシグナルが混在し ている」と続けた。

中国の製造業

中国国家統計局と中国物流購買連合会が発表した7月の中国 製造 業購買担当者指数(PMI)は5カ月ぶりの低水準となった。これを嫌 気し、商品株が下落した。イランが制裁解除の後には直ちに産油量を引 き上げる意向を明らかにしたことも売り材料となった。

アップルは過去10営業日のうち9日間で値下がりし、2013年来初め て200日移動平均を下回った。

S&P500種が100日移動平均を下回ると下げ足は強まったが、取引 終了直前には下げ幅を縮小。同指数は200日移動平均を約1.4%上回って 引けた。

S&P500種に採用されている企業のうち四半期決算の発表を終了 しているのは3分の2を上回る。このうち利益が予想を上回ったのは約 4分の3、売上高が予想を上回ったのは半数だった。アナリスト予想に よると、第2四半期のS&P500種企業は2.8%の減益が見込まれてい る。約2週間前は6.4%減が見込まれていた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は3.6%上昇し12.56。

S&P500種の産業別10指数は5指数が下落。エネルギーや素材、 テクノロジー株が特に下げた。

資源のフリーポート・マクモランやニューモント・マイニング、ア ルコアはいずれも下落した。

ブルームバーグがまとめた米航空株価指数は3.4%高。デルタ航空 やアメリカン航空グループ、ユナイテッド・コンチネンタル・ホールデ ィングスはいずれも上昇した。

原題:U.S. Stocks Decline as Apple Shares, Commodities Producers Slump(抜粋)

◎米国債:3日続伸、原油安や経済指標受けインフレ見通しが後退

3日の米国債相場は3営業日続伸。期間が長めの国債の利回りは2 カ月ぶり水準に下げた。原油値下がりや予想を下回る製造業活動の指数 を受けてインフレ見通しが後退し、金融当局が利上げ開始を遅らせると の観測が広がった。

原油先物相場は3月以来の安値に下げ、米供給管理協会(ISM) が発表した7月の製造業総合景況指数は前月から低下した。5年物イン フレ連動債(TIPS)と通常の5年債との利回り格差は縮小し、1月 以降で最小となった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「ISMの指数に動きがあり、原油相場も再 び下げた」と指摘。「世界的なデフレ懸念を背景とした取引が再び活発 になった。利上げがかなり近づいている可能性があることから、現在は あらゆるデータが金融政策に影響する」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.15%。同年債(表面利率2.125%、2025年5月償 還)価格は9/32上昇し99 25/32。

30年債利回りは一時2.84%と、5月29日以来の低水準を付けた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は7月に、年内の 利上げを見込んでいるとした上で、利上げペースについては緩やかなも のになる可能性が高いと強調した。

7月28-29日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)会合の声 明によれば、政策当局はインフレ率が2%の目標に向かって徐々に上昇 していくと見込んでいる。

経済指標

ISMが3日発表した7月の製造業総合景況指数は52.7と、前月 の53.5から低下した。5年物TIPSと通常の5年債の利回り格差 は1.33ポイント。一時1月14日以降で最小となった。

金融当局がインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)価格 指数は6月に前年同月比で0.3%上昇。5月は0.2%上昇だった。

利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%に なるとの仮定に基づけば、9月会合での利上げ確率は38%とFF金利先 物市場に反映されている。12月会合もしくはそれより前の利上げ確率は 約67%。

CRTキャピタル・グループの政府債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は「今週最も重要なのは雇用統計だ」とし、「7日発表され る雇用のデータは利上げ開始時期の予想を微調整する上で有益な材料に なるが、9月会合までに発表されるデータは多いため、こうした作業を 様々なやり方で繰り返すことになろう」と続けた。

原題:Treasuries Rally as Commodity Plunge Damps Outlook for Inflation(抜粋)

◎NY金:反落、ゴールドマンが1000ドル割れをあらためて予想

3日のニューヨーク金先物相場は反落。5年ぶり安値付近で取引さ れた。ゴールドマン・サックス・グループはこの日のリポートで、金は 1オンス=1000ドルを割り込む可能性があるとの見方をあらためて示し た。これは3日の終値を8%超下回る水準だ。

オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州タンパ)の創業 者、ジェームズ・コーディアー氏は電話インタビューで、「年内の利上 げ見通しが金下落の一因となっている」と指摘。「9月に利上げが実施 されれば、ドルは上昇するだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前週末比0.5%安の1オンス=1089.40ドルで終了。

銀先物9月限は1.6%下げて14.515ドル。プラチナ先物10月限 は1.8%下落の967.10ドル。パラジウム先物9月限は1.3%下げて603.20 ドル。

原題:Gold Declines as Goldman Sachs Says Prices May Drop Below $1,000(抜粋)

◎NY原油:大幅続落、ブレント50ドル割れ-イランと中国材料視

3日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は大幅続落。ロンドンの北海ブレント原油は1 月以来で初めて1バレル=50ドルを割り込んだ。イランは制裁解除の後 には直ちに産油量を引き上げる意向を明らかにした。また中国の製造業 活動の低下も嫌気された。

RBCキャピタル(ニューヨーク)のチーフ商品ストラテジスト、 ヘリマ・クロフト氏は電話取材に対し、「相場がすぐに回復するとのシ ナリオはますます蜃気楼と化している」と指摘。「今は底を目指す相場 展開だ。ほかの誰かが先に減産してくれると期待しながら、産油国は生 産を続けている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前週 末比1.95ドル(4.14%)安い1バレル=45.17ドルで終了。終値ベース で3月19日以来の安値。ロンドンICEのブレント先物9月限は2.69ド ル下げて49.52ドル。1月29日以来の安値で引けた。

原題:Brent Oil Tumbles Below $50 on Iran Supply Plans, China Slowdown(抜粋)

◎欧州株:5日続伸、決算と経済指標を好感-取引再開のギリシャ急落

3日の欧州株式相場は上昇し、指標のストックス欧州600指数は5 営業日続伸となった。この日発表された企業決算と経済指標が好感され た。5週間ぶりに取引が再開されたギリシャ市場では指標のアテネ総合 指数が急落した。

オランダのビール会社ハイネケンと、ドイツのコメルツ銀行の上げ が目立った。両社の決算はいずれも予想を上回る内容だった。デジタル 地図を手掛ける蘭トムトムは2%上昇。事情に詳しい関係者によれば、 同社は身売りにつながる可能性のある選択肢を模索している。

ギリシャの指標であるアテネ総合指数は、終値ベースで過去最悪 の16%安。ギリシャ・ナショナル銀行やピレウス銀行がともに30%下 落。資本規制による取引の制限は残っている。

ストックス600指数は前週末比0.8%高の399.44で取引を終了。ドイ ツとユーロ圏の7月の製造業購買担当者(PMI)指数改定値がいずれ も速報値を上回ったことから、上げ幅を拡大する場面も見られた。

SEBのクロスアセット戦略責任者、トマス・ティゲセン氏(コペ ンハーゲン在勤)は「株価は一段高になるとみている。短期的な見通し はリスク資産にとって極めて好ましいようだ」と発言。「この日の製造 業データでギリシャが欧州全体の成長を後退させてはいないことが確認 された。ギリシャ市場に関しては、数週間にわたる悪材料が累積してい ただけだ」と続けた。

ストックス600指数の業種別19指数の中で、資源銘柄が最もきつい 値下がりとなった。アングロ・アメリカンとグレンコアが大きく下げ た。中国の製造業活動を測る指数が低下し、景気減速が深まりつつある 兆候が示された。

原題:European Stocks Rise for 5th Day as Earnings Trump Greek Plunge(抜粋)

◎欧州債:もみ合い、欧米で製造業指標がまちまち-ドイツ債は上昇

3日の欧州債相場はもみ合う展開となった。この日発表された製造 業データでは、ユーロ圏が当初見積もりを上回った一方、米国ではエコ ノミスト予想に届かなかった。

ドイツ国債は米国債に追随して値上がり。米製造業活動が7月に鈍 化したことが材料となった。朝方はユーロ圏製造業が見積もり以上に拡 大したことから、安全資産としての独国債需要が後退し値下がりしてい た。

フランスとオーストリアの長期債のパフォーマンスは短期債を下回 った。ユーロ参加国のうち5カ国が週内に債券発行を予定しており、そ れが期間長めの債券の需要を抑えた。

DZバンクの債券ストラテジスト、ヘンドリク・ロッデ氏は「長期 債発行が注目される中、超長期債には幾分かの重しになるだろう」と指 摘。「商品値下がりを受けたインフレ期待の低下に伴う強気なフラット 化の動きが最近あっただけになおさらだ」と続けた。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前週末比2ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.63%。一時は3bp上 昇した。同国債(表面利率1%、2025年8月償還)価格は0.155上 げ103.60。

一方、スペイン10年債利回りは域内で最もきつい値下がり。同国財 務省は今週後半に40億-50億ユーロ相当の債券を入札すると発表した。

オーストリアが2025年と44年に満期を迎える債券を4日に発行する ほか、フランスは23年から60年に償還する国債の入札を週内に行う。

マークイットが発表した7月のユーロ圏製造業購買担当者指数 (PMI)改定値は52.4となった。6月の52.5から小幅低下したもの の、速報値の52.2から上方修正された。米供給管理協会(ISM)が発 表した7月の製造業総合景況指数は52.7に低下。前月は1月以来の高水 準となる53.5だった。

原題:Europe’s Bonds Fluctuate as Strong Regional Data Clash with U.S.(抜粋)