米国債:3日続伸、原油値下がりでインフレ見通しが後退

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3日の米国債相場は3営業日続伸。期間が長 めの国債の利回りは2カ月ぶり水準に下げた。原油値下がりや予想を下 回る製造業活動の指数を受けてインフレ見通しが後退し、金融当局が利 上げ開始を遅らせるとの観測が広がった。

原油先物相場は3月以来の安値に下げ、米供給管理協会(ISM) が発表した7月の製造業総合景況指数は前月から低下した。5年物イン フレ連動債(TIPS)と通常の5年債との利回り格差は縮小し、1月 以降で最小となった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「ISMの指数に動きがあり、原油相場も再 び下げた」と指摘。「世界的なデフレ懸念を背景とした取引が再び活発 になった。利上げがかなり近づいている可能性があることから、現在は あらゆるデータが金融政策に影響する」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.15%。同年債(表面利率2.125%、2025年5月償 還)価格は9/32上昇し99 25/32。

30年債利回りは一時2.84%と、5月29日以来の低水準を付けた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は7月に、年内の 利上げを見込んでいるとした上で、利上げペースについては緩やかなも のになる可能性が高いと強調した。

7月28-29日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)会合の声 明によれば、政策当局はインフレ率が2%の目標に向かって徐々に上昇 していくと見込んでいる。

経済指標

ISMが3日発表した7月の製造業総合景況指数は52.7と、前月 の53.5から低下した。5年物TIPSと通常の5年債の利回り格差 は1.33ポイント。一時1月14日以降で最小となった。

金融当局がインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)価格 指数は6月に前年同月比で0.3%上昇。5月は0.2%上昇だった。

利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%に なるとの仮定に基づけば、9月会合での利上げ確率は38%とFF金利先 物市場に反映されている。12月会合もしくはそれより前の利上げ確率は 約67%。

CRTキャピタル・グループの政府債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は「今週最も重要なのは雇用統計だ」とし、「7日発表され る雇用のデータは利上げ開始時期の予想を微調整する上で有益な材料に なるが、9月会合までに発表されるデータは多いため、こうした作業を 様々なやり方で繰り返すことになろう」と続けた。

原題:Treasuries Rally as Commodity Plunge Damps Outlook for Inflation(抜粋)

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