住商とブラジルのヴァーレ、炭鉱を1ドルで売却-豪企業に

ブラジルの資源会社ヴァーレと住友商事は豪 クイーンズランド州東部にあるアイザック・プレーンズ炭鉱の全権益を 豪スタンモア・コールに売却する。3年前には780億円超の価値がつい ていた資産だが、石炭市況の大幅下落を受けて売却額は1豪ドル(約90 円)。スタンモアが31日発表した。

住商は2012年にアイザック・プレーンズの権益50%を4億3000万豪 ドル(約387億円)で取得。同炭鉱は鉄鋼用原料炭と発電用一般炭を生 産していたが、市況下落で住商は14年3月期に同事業で277億円の減損 損失を計上。15年3月期にも追加の損失計上を迫られ、帳簿上の簿価を 全額減損していた。

住友商・広報部では経済合理性から判断して売却を決めたと説明し ている。今年度の下期に売却を完了する予定。売却に伴う今期業績への 影響はないという。ヴァーレと住友商は同炭鉱の操業を1月から停止し ていた。

原料炭価格は3年前に1トン当たり200ドルを超えていたが、現在 は同80ドルと半分以下にまで下落。市況の大幅下落を受けて石炭事業を 取り巻く環境は悪化している。

丸紅も昨年、カナダの炭鉱を共同出資者とともに1ドルで売却し た。また、米石炭会社アルファ・ナチュラル・リソーシーズは3日にも 会社更生手続きの適用を申請する計画といい、経営破たんに追い込まれ る企業も出ている。

一方、今回1ドルで買収を決めたスタンモアは3200万豪ドル(約29 億円)を投じて、アイザック・プレーンズ炭鉱の操業を再開する方針。 同社は隣接した鉱区に石炭権益を保有しており、コスト削減などでの相 乗効果が見込めるとしている。

原題:The $600 Million Mine Sold for a Dollar Underscores Ruin of Coal(抜粋)