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日銀総裁:4-6月成長率かなり低下、7-9月以降弱さ続かず

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日本銀行の黒田東彦総裁は15日の記者会見 で、4-6月の実質成長率は「1-3月と比べかなり低下する可能性が ある」としながらも、米国経済が明確に回復していることや、中国経済 が7%成長を維持していることから、「4-6月の若干の弱い状況が7 -9月以降ずっと続くとは全く見ていない」と述べた。

日銀はこの日の決定会合で、事前の予想通り金融政策の現状維持を 決めた。4月末に示した経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間 評価では2015年度の実質国内総生産(GDP)成長率見通し(政策委員 の中央値)を前年度比2.0%増から1.7%増に、消費者物価指数(除く生 鮮食品、コアCPI)の見通しを0.8%上昇から0.7%上昇に引き下げ た。

黒田総裁はコアCPI前年比上昇率について「エネルギー価格下落 の影響が次第に剥落し、来年度前半ごろに全くなくなることからする と、実際の物価上昇率は秋口以降かなりのテンポで上昇していく可能 性」があると指摘。「16年度前半ごろに2%程度に達する可能性が高い という見通しは変わっていない」と述べた。

一方で、「一部の委員が物価見通しについて、より慎重な見方をさ れた」ことを明らかにした。

ギリシャより中国が関心の対象

中国経済については「4-6月のGDP成長率が前年比7%増だっ たことから確認されたように、総じて安定した成長を維持しているとみ ている。先行きも中国政府が金融・経済両面で景気下支えに向けた政策 を相次いで講じていることから、成長ペースを幾分切り下げながらも、 おおむね安定した成長経路をたどるとみている」と述べた。

乱高下が続く中国株の動向については「昨年後半以降かなり大幅な 上昇を続けた後、6月半ばから下落した。背景としては、そもそも株価 が昨年後半の2倍以上に上昇するということで、市場参加者の間で高値 警戒感が広がっていたことに加え、信用取引が巻き戻されたことが影響 していると考えられるが、引き続き注視していきたい」と語った。

ギリシャ問題については、同国の経済規模が「欧州経済の2%ぐら いであり、特に日本にとっては貿易・投資関係は極めて薄い。そういう こともあるので、ギリシャの問題が日本経済に何か大きな影響を与える 可能性は非常に少ない」との見方を示した。

一方で、「これに対して中国経済がどうなるかは、確かに日本経 済、アジア経済にかなりの影響があり得る。あるいは世界経済に影響を 与えるという意味では、より大きな関心の対象であるのは事実だ」と語 った。

リフレ派と宣言したことはない

総裁はリフレ派に属すると考えているかとの質問に対しては、「日 本で俗にリフレ派という人がどういうものなのか確たる定義があるとは 思えないし、私自身、リフレ派の一員だと宣言したこともない」と述べ た。

13年3月の総裁就任前に国会で、金融政策で物価2%は達成は可能 と述べたことについて、その考えに変わりないか、という質問に対して は「今でもそうであると思っている」と言明。「金融政策でさまざまな 要因を踏まえた上で、2%に持って行く責務があるし、行くことができ ると考えている」と語った。

大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストは金融政策決定会合後に 公表したリポートで、「当分の間、迷いを見せることなく、目標実現を 確信していることを強調しつつ、現状の政策運営を継続する公算が大き い、との見方を維持する」としている。

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