ドルは122円台後半、米雇用統計控え買い優勢-ギリシャにらみ

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東京外国為替市場ではドル・円相場が強含み に推移。救済プログラムが失効したギリシャ情勢にらみの展開の中、米 雇用統計をあすに控えてドル買い・円売りがやや優勢となった。

1日午後3時38分現在のドル・円相場は1ドル=122円73銭前後。 朝方付けた122円37銭から午後の取引終盤には一時122円78銭まで値を切 り上げた。一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.11ドル台半ばでもみ 合った後、午後に1.1115ドルまで水準を切り下げた。同時刻現在 は1.1124ドル前後。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの平野淳外国為替営業部 長は、「ドル・円は目下、ギリシャ情勢の行方をめぐり、上下両サイド のリスクがあってポジションが取りづらい状況となっている」とし、米 雇用統計が強い結果となったとしても、戻りは123円台半ば程度までに とどまると予想。「今週については、引き続き121円50銭までの下落リ スクに向いているとみている」と語った。

国際通貨基金(IMF)のジェリー・ライス報道官は6月30日、理 事会に対してギリシャが現在、債務滞納となっていると報告したことを 明らかにした。同日午後6時(日本時間7月1日午前7時)が期限の17 億ドル(約2100億円)の債務が返済されなかった後で、電子メールで声 明を送付した。ギリシャの救済プログラムも同時刻に失効した。

みずほ銀行国際為替部の加藤倫義参事役は、「ギリシャの債務延滞 の話は良くも悪くも予想の範囲内」だとし、「最悪のクライマックスは 過ぎた状況で、相場の動きは止まっている」と指摘。そうした中、7月 に入り期末要因の円買いもなくなったことで、「ドル・円は上昇しやす い」と話していた。

ギリシャ

ギリシャは30日、ユーロ圏から新たな2年間の救済を受けるため、 プログラムの設定を要請した。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ) のデイセルブルム議長は同日の電話会議後、現行の支援プログラムの延 長と追加支援供与の迅速手続きは認められなかったと述べた。

現行の支援プログラム失効を受け、 ユーロ圏財務相はギリシャの 新たな支援要請をブリュッセル時間1日午前11時半(日本時間同日午後 6時半)から協議する。ドイツのメルケル首相は5日に予定されている ギリシャ国民投票の前に同国政府と協議しても、「まったく空虚な交渉 になる」と述べた。

三井住友銀行の山下えつ子チーフエコノミスト(ニューヨーク在 勤)は、ギリシャはいろいろと要求は出しているが、国民投票までは基 本的に協議は進まないはずであり、国民投票の結果もどうなるか分から ないため、「相場も何とも動けない」と指摘。あすには米国の雇用統計 の発表もあり、「きょうもあすも待ちという感じではないか」と語っ た。

ギリシャ紙エフィメリダ・トン・シンタクトン(Efsyn)の世 論調査では、5日のギリシャ国民投票で債権者案に「ノー」と投票しよ うと考えている人が依然「イエス」より多いが、銀行休業後に減ってい ることが分かった。

日銀短観

日本銀行がこの日発表した企業短期経済観測調査(日銀短観、6月 調査)では大企業製造業の業況判断指数(DI)がプラス15と3月の前 回調査から3ポイント改善した。改善は3期ぶりで、事前予想(プラ ス12)を上回った。大企業非製造業DIもプラス23と予想を上回る4ポ イント改善となった。

みずほ銀の加藤氏は、短観は遅行指標になっており、実体経済を反 映していない可能性があるとした上で、「良い数字が出て、アベノミク ス支持という見方であれば、円安・株高材料となる。ドル・円相場にポ ジティブ」と指摘した。

一方、中国国家統計局と中国物流購買連合会が発表した6月の製造 業購買担当者指数(PMI)は前月と同じ50.2となった。市場予想 は50.4だった。

米国ではこの日、あすの雇用統計の前哨戦となる6月のADP雇用 統計や米供給管理協会(ISM)製造業景況指数の発表が予定されてい る。

三井住友銀の山下氏は、「雇用統計の強い、弱いというのを受けた 反応はちゃんとドルには出ると思う」が、「それがそのままドル買い、 ドル売りというふうに続く話かというと、ギリシャの国民投票の話があ るので、長続きするような相場にはなりにくい」と予想。「ギリシャの 話がないとしても、まだ7月なので、9月の利上げなどを大きく織り込 むことも時間的にはまだちょっと難しい」と指摘した。

米セントルイス連銀のブラード総裁はセントルイスでの講演後の質 疑応答で、ギリシャ債務危機に伴う米国への悪影響波及のリスクは小さ いと語った。講演では、米金融当局が資産価格バブルの発生を防ぐに は、そのような懸念のない場合よりも金利を一段と高めに引き上げる必 要があるかもしれないとの考えを示した。

--取材協力:大塚美佳、池田祐美、Daisuke Sakai.

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