日本株続伸、短観DI改善の小売高い-金融も、ギリシャ小康

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1日の東京株式相場は続伸。5日の国民投票 を前にギリシャ問題が小康状態となる中、日本銀行の企業短期経済観測 調査(短観)で景況感の改善を確認したことが好感された。業況判断 DIが好転した小売株が買われ、海外金融株高の流れを受け証券、その 他金融株も高い。

TOPIXの終値は前日比6.01ポイント(0.4%)高の1636.41、日 経平均株価は93円59銭(0.5%)高の2万329円32銭。

アムンディ・ジャパン投資情報部の高野雅永部長は、「国民投票に なってギリシャ情勢は混沌(こんとん)としているが、海外金融市場や 為替は織り込みが進み、波乱が収まっている」と指摘。市場は、ギリシ ャ問題の「ソフトランディング(軟着陸)を読んでいる」と話した。

国際通貨基金(IMF)は6月30日、ギリシャから返済がなく、債 務延滞になったと発表。ギリシャの救済プログラムも失効した。ギリシ ャ政府が同日要請した債務支払いの延期は、今後IMF理事会で検討さ れる。一方、ドイツのメルケル首相は、ギリシャ国民投票の前に同国政 府と協議しても、「全く空虚な交渉になる」との認識を示した。

前日は欧州株が下落したものの、堅調な景気指標を受けた米国株は 上昇。この日の為替は、ドル・円相場が1ドル=122円台半ばで安定推 移した。こうした中、取引開始前に発表された短観6月調査では、大企 業・製造業の業況判断DIがプラス15と事前予想のプラス12を上回り、 3期ぶりに改善した。大企業・非製造業もプラス23と、前回3月から4 ポイント増。業種別DIの変化幅では、小売はプラス17と窯業・土石製 品に次ぐ2位だった。今年度の全産業設備投資計画は9.3%増、大企 業・製造業の想定為替レートは1ドル=115円62銭。

楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは、 「日本の企業マインドは製造業、非製造業ともしっかりしている。日銀 短観は上値を追うほど強くないが、企業業績の今期15%増益見通しをサ ポートする内容」と言う。

アダストリア、米消費者信頼感指数

小売株がTOPIXの業種別上昇寄与度でトップ、上昇率で2位。 土信田氏は、「世界景気は全体ではポジティブな状況ではないため、指 数が伸び悩むと内需物色になりやすい。短観結果をみると、特に改善水 準が大きかった小売は買いやすい」としていた。個別の決算銘柄では、 3-5月期(第1四半期)が営業増益のスギホールディングスが上げ、 上期業績計画の増額とUBS証券の投資判断引き上げを受けたアダスト リアはストップ高。

米国では、民間調査機関コンファレンス・ボードが前日発表した6 月の消費者信頼感指数が101.4と前月の94.6(速報値95.4)から上昇、 3カ月ぶりの高水準だった。市場予想は97.4。1日には6月の供給管理 協会(ISM)製造業景況指数、2日に雇用統計の公表も控える。

もっとも、日経平均は6月29日の596円安に対し、この2日間での 戻りは3割程度。「ギリシャに対する過度な警戒感は薄れる方向にある が、国民投票までは喉の奥に魚の小骨がつかえたようにすっきりしな い」と、SMBC日興証券投資情報部の西広市部長。国民投票の結果次 第ではギリシャのユーロ離脱の動きが出てくる可能性があり、「国民投 票待ちの状況」と話した。

東証1部33業種は証券・商品先物取引、小売、その他金融、建設、 サービス、ガラス・土石製品、精密機器など22業種が上昇。証券など金 融は、前日の米S&P500種業種別10指数で金融が上昇率3位だった流 れを受けた。鉄鋼や電気・ガス、輸送用機器、食料品、非鉄金属など10 業種は下落。パルプ・紙は変わらず。東証1部の売買高は21億6672万 株、売買代金は2兆2303億円。上昇銘柄数は1218、下落は560。

売買代金上位では、クレディ・スイス証券が目標株価を上げた野村 ホールディングスが高く、5月売上高が2割以上増えた資生堂は急伸。 楽天や村田製作所、ダイキン工業、任天堂、太平洋セメント、ソニーフ ィナンシャルホールディングスも買われた。ホンダやJT、スズキ、コ マツ、新日鉄住金は安い。

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