6月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ上昇、ギリシャ危機の影響抑え込めるとの観測

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで上昇。一時はここ 3カ月で最大の下げとなったが、反転した。ギリシャ危機に伴う影響は 抑え込めるとの観測が広がった。

ユーロは、ほぼ1カ月ぶり安値から上昇。ドイツのショイブレ財務 相は議員らに対し、ギリシャがユーロ圏に感染リスクをもたらすとは考 えていないと語った。ユーロは対円では下落。ギリシャがユーロ圏離脱 に近づきつつあるとの懸念から安全資産として円の需要が高まった。

アマハースト・ピアポント・セキュリティーズ(コネティカット州 スタンフォード)のストラテジスト、ロバート・シンチ氏は「きょうは 何が起きているかではなく、何が起きていないのかという点で誠に意義 深い日だ」と指摘。「ギリシャは結局のところそれほど重要ではなく、 欧州中央銀行(ECB)には、自らそう望めばユーロ圏の状況を安定さ せる力がある」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前週末比0.6% 高の1ユーロ=1.1236ドル。一時1.9%下げて2日以来の安値を付け た。対円では0.5%安の1ユーロ=137円69銭。ドルは対円で1.1%安の 1ドル=122円54銭。

ギリシャ情勢

ギリシャのチプラス首相は26日、金融支援をめぐる債権者側からの 最新の提案を拒否し、7月5日に国民投票を実施すると表明。さらに 「ノー」の票を投じるよう提唱するとした。

ショイブレ独財務相は与党議員らとの非公開の会合で、金融市場が 制御不能な混乱に陥るリスクはないとの認識を示した。党関係者が明ら かにした。

クレディ・アグリコル(ニューヨーク)の為替ストラテジスト、マ ーク・マコーミック氏は「ユーロに下振れリスクがあるのは明らかだ」 と指摘。「大半の市場関係者は7月5日の国民投票の前に行われる世論 調査に注目するだろう。ユーロにとっては今のところそれが重要な鍵と なる」と続けた。

スイス国立銀行(中央銀行)のヨルダン総裁は、フラン高が進んだ ことを受け、同中銀が相場安定を狙い介入したことを明らかにした。ユ ーロはフランに対し0.4%安の1ユーロ=1.03939フラン。一時は1.1% 安の1.03145フランを付けていた。

ECB

独アリアンツの主任経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏 は、向こう数週間にギリシャがユーロ圏からの離脱を余儀なくされる確 率が85%あるとみている。同氏はニューヨークでのインタビューで、市 場は危機封じ込めに向けたECBの措置を期待していると語った。

コメルツ銀行のシニア為替ストラテジスト、ピーター・キンセラ氏 (ロンドン在勤)は、ECBはギリシャ向け緊急流動性支援(ELA) の上限を据え置いたが、1カ月当たり600億ユーロの証券を購入する量 的緩和プログラムにより他のユーロ圏の市場は守られるとの見方を示し た。

原題:Euro Shrugs Off Greece as Traders Trust ECB to Contain Fallout(抜粋)

◎米国株:年初来の上げ消す、ダウ350ドル安-ギリシャ危機で世界株安

29日の米株式市場ではS&P500種株価指数が2014年4月以来の大 幅安となり、年初来の上げを消した。ギリシャ金融危機からの予期せぬ 悪影響に対する懸念から世界的な株安となった。

シティグループやJPモルガン・チェースの下げがきつく、S& P500種の金融株指数は2.5%下げた。ダウ工業株30種の構成銘柄ではデ ュポンやビザ、ボーイングの下げが目立った。ギリシャ・ナショナル銀 行の米国預託証券(ADR)は24%急落。米国籍の上場投資信託 (ETF)であるグローバルX・FTSEギリシャ20ETFは20%下げ た。

S&P500種株価指数は2.1%下げて2057.64で終了。200日移動平均 に近づいた。ダウ工業株30種平均は350.33ドル(2.0%)安の17596.35 ドルで終え、年初来の上げを失った。ナスダック総合指数は2.4%下落 し、2014年4月以来の大幅安。

米証券取引所全体の出来高は約74億株と、3カ月平均を16%上回っ た。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は34%上昇。2013年4月以降で最大の上げとなった。

ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディング担当マネ ジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は「ついに限界に達し た」と指摘。「悪い結果となる可能性があるものへの不透明感が非常に 高いため、反射的にリスク資産を減らす動きになる。今週は大荒れにな る可能性がある」と述べた。

ギリシャ情勢

ギリシャは29日未明、銀行閉鎖と資本規制導入を発表。リセッショ ン(景気後退)が深刻化し、ユーロ圏から離脱するリスクが高まっ た。26日にギリシャ救済条件をめぐる同国と債権団との交渉が物別れに 終わり、チプラス首相は債権団が求める緊縮策の賛否を問う国民投票を 7月5日に実施すると表明した。欧州中央銀行(ECB)は28日、ギリ シャの銀行向け緊急流動性支援(ELA)の上限を据え置いた。

この日の午後、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリ シャの格付けを引き下げると、米国株は下げ足を速めた。S&Pは格付 け見通しを「ネガティブ」とし、ユーロ圏離脱の確率は50%前後との認 識を示した。

スタイフェル・ニコラスの市場ストラテジスト兼ポートフォリオマ ネジャー、ケビン・キャロン氏は「土壇場で何らかの明るい解決策が見 いだされるとの期待はあるが、それよりもやや混乱するだろう」と指 摘。「ギリシャ経済が悪化するにつれ、社会不安や神経質さ、欧州連合 (EU)脱退の可能性が出てきており、さらに弱くなる可能性がある」 と述べた。

世界株安

世界的な株安となり、MSCIオール・カントリー・ワールド指数 は2%下落し、13年6月以来の大幅安。ストックス欧州600指数は2.7% 安、日経平均株価は2.9%下げた。上海総合指数は3.3%下げ、弱気相場 入りした。

モルガン・スタンレーの米国株式チーフストラテジスト、アダム・ パーカー氏はギリシャ金融危機が米国株に買いを入れる好機になると指 摘。特に決算シーズンを来月迎えるため、株式投資家は米経済の現在の 強さを受けて、ギリシャをめぐる懸念を過去の一時的な懸念材料とみな すとの見解を示した。

同氏はブルームバーグとのインタビューで、「現在、押し目買いを 入れたいと考えている。決算シーズンが始まる数週間後にはギリシャと いう単語はブルームバーグの端末上であまり目にしなくなるだろう」と 語った。

原題:S&P 500 Wipes Out Gain for Year as Greece Spurs Global Selloff(抜粋)

◎米国債:上昇、一時8カ月ぶり大幅高-ギリシャ国民投票で逃避需要

29日の米国債相場は上昇。利回りは昨年10月以来で最も下げた。ギ リシャがユーロ圏を離脱し、その影響が域内に広がるとの懸念が比較的 安全とされる国債の需要を強めた。

10年債利回りは低下。ギリシャ問題が行き詰まり、同国が債権者と 合意するとの楽観が消えた。ギリシャ危機を受けて、米国の利上げ観測 が後退した。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、エドワード・ア クトン氏は「ギリシャ国民投票をめぐる懸念は今も非常に強い」と述 べ、「利回りがさらにじりじりと低下する可能性がある」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは15ベーシスポイント(bp、 1b p=0.01%)下げて2.32%。利回りは一時、昨年10月15日以来で最大と なる18bp下げた。同年債(表面利率2.125%、2025年5月償還)価格 は1 9/32上げて98 1/4。30年債利回りは14bp下げて3.1%だった。

ギリシャ動向

ブルームバーグがまとめたデータによれば、フェデラルファンド (FF)金利先物動向が示す9月の利上げ確率は29%と、6月26日時点 の38%から低下した。12月までの利上げ確率は66%と、従来の73%から 下げた。

ギリシャは国内金融システムの崩壊回避で銀行閉鎖と資本規制導入 を発表した。既存の救済プログラムは30日に失効する。同国のチプラス 首相は26日、債権者が示した最新の救済案を拒否し、7月5日に国民投 票を実施すると発表した。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「市場は非常に不安定で、かつ流動 性が低下することになるだろう。今後の展開は誰にも読めない。不透明 感につながる」と述べた。

ブルームバーグ世界債券指数によると、月初から27日までの米国債 リターンは1.6%のマイナス。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、仮に最近見られたような経済 データの改善が続けば、米金融当局が9月に利上げに踏み切る可能性が あると語った。

ダドリー総裁は、28日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT) に掲載されたインタビューで、利上げ開始について「データがこれまで のような形で推移するなら、9月の可能性は大きい」と述べた。インタ ビューは26日に行われた。

一方、ギリシャ情勢をめぐっては、「大きな不確定要素」であり、 同国がユーロ圏を離脱した場合の金融市場へのリスクを多くの人々が過 小評価するかもしれないと指摘した。

原題:Treasuries Rise Most in 8 Months as Greek Vote Adds Haven Demand(抜粋)

◎NY金:続伸、ETP通じた保有は4カ月ぶり大幅増-逃避需要で

29日のニューヨーク金先物相場は続伸。ギリシャの金融危機で逃避 先としての金の需要が再び高まる中、金連動型上場取引型金融商品 (ETP)を通じた金保有量は先週、4カ月ぶりの大幅な増加となっ た。

STAウェルス・マネジメント(ヒューストン)のチーフストラテ ジスト、ランス・ロバーツ氏は電話インタビューに対し、「安全資産へ の逃避が見られる。金はギリシャに関する不安で恩恵を受けている」と 指摘。「ギリシャがユーロ圏を離脱する事態になった場合の影響が懸念 されている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前週末比0.5%高の1オンス=1179ドル。連続高は6月10日以降 で初めて。

銀先物9月限は0.5%下げて15.695ドル。パラジウム先物9月限 は1.8%安の666.45ドル。プラチナ先物10月限は0.1%上昇の1082.30ド ル。

原題:Gold ETP Holdings Increase Most in Four Months Amid Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:4日続落、ギリシャのユーロ圏離脱懸念で売り

29日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は4日続落。北海ブレント先物は約2カ月ぶり の安値となった。ギリシャが債務交渉で債権団と合意できず、ユーロ圏 から離脱するとの懸念が売りを誘った。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「この 日の動きは全てギリシャ情勢が原因だ。解決策が見いだされるまで売り 浴びせの局面があるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日 比1.30ドル(2.2%)安い1バレル=58.33ドルで終了した。

原題:Crude Falls to Lowest Since April Amid Risk of Greek Euro Exit(抜粋)

◎欧州株:ストックス600、8カ月ぶり大幅安-ギリシャ救済協議決裂で

29日の欧州株式相場は8カ月ぶりの大幅安。ギリシャ交渉決裂で同 国はデフォルト(債務不履行)に陥る瀬戸際にある。

指標のストックス欧州600指数は前週末比2.7%安の386.17で終了。 一時は3.2%安となった。アテネ証券取引所での取引は停止。スペイン とイタリア、ポルトガルなどの周辺国の株価指数も大きく下げた。ドイ ツのDAX指数は3.6%安。

ギリシャが銀行休業と資本規制を発表し、同国がユーロ圏離脱に追 い込まれるとの観測が強まった。チプラス首相は債権団が求める緊縮措 置の是非を問う国民投票を7月5日に実施すると発表した。ギリシャ救 済プログラムの期限と国際通貨基金(IMF)への支払い期日はともに 6月30日。

BGCパートナーズ(ロンドン)の市場ストラテジスト、マイケ ル・イングラム氏は「この展開はユーロというプロジェクトの構造上の 欠陥と、結束を保つ上での政治的な意志の限界を示している」とし、債 権者である「3機関が完全降伏でもしない限り、ギリシャは30日に IMFに対してデフォルトとなり、緊急流動性支援(ELA)も7月1 日に引き揚げられるだろう」と語った。

ギリシャの資本市場規制当局はこの日、アテネ証券取引所の取引は 同国の銀行休業が終了する7月6日まで停止されると発表した。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、ストックス欧州600指 数のこの日の売買高は30日平均を40%上回る水準だった。合意をめぐる 楽観の高まりを受けて、同指数は先週2.9%上げていた。

この日は業種別19指数が全て下落。銀行銘柄の下げが目立ち、ポル トガル商業銀行とイタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ、ス ペインのポプラール・エスパニョール銀行が急落。ドイツのダイムラー とBMWが共に4%強下げるなど、自動車株も売られた。

原題:European Stocks Tumble Most in Eight Months With Greece on Edge(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債上昇、ギリシャ危機で質への逃避-スペイン債下落

29日の欧州債市場ではドイツ国債が2012年9月以来の大幅上昇とな った。ギリシャのチプラス首相が国民投票実施を発表、同国のユーロ圏 離脱リスクが高まったことを受け、安全とされるドイツ国債の需要が高 まった。

ギリシャ10年債利回りは過去最大の上昇。同国は国内の金融システ ムの崩壊を回避するため銀行を閉鎖し、資本規制を導入した。こうした 状況にもかかわらず、債券市場では本格的なパニックの兆候は見られな いwb。欧州債の指標とされるドイツ10年債は上げ幅を縮小した。スペ イン国債は影響波及の懸念から売られたものの、下げ幅は5月に記録し た大幅安より小さい。

ラボバンク・インターナショナルの金利ストラテジスト、リン・グ レアムテーラー氏(ロンドン在勤)は「リスク回避の流れだ。資本規制 や国民投票などギリシャが打ち出した措置に反応している」とし、「ギ リシャがまだ離脱していないことがある時点で認識され、同国をユーロ 圏の通貨同盟にとどめる動きが出る公算が大きい」と語った。

ロンドン時間午後4時15分現在、ドイツ10年債利回りは前週末比13 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.79%。これは2012 年8月以来の大きな下げ。一時は0.71%と、3日以来の低水準を付け た。同国債(表面利率0.5%、2025年2月償還)価格は1.21上 げ97.335。

スペイン10年債利回りは23bp上昇の2.34%。これは先月5日以来 の大きな上げ。イタリア10年債利回りは22bp上げて2.37%。一時は57 bp上昇した。

ギリシャ10年債利回りは419bp上昇の15.03%で、2012年12月以来 の高水準を付けた。債務再編のあった12年3月に44.21%に達してい た。

原題:Germany’s Bonds Climb as Greek Crisis Escalates; Spain’s Slide(抜粋)

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