日本株4日ぶり反発、業績期待の小売買い-ギリシャ警戒続く

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30日の東京株式相場は4営業日ぶりに反発。 債務不履行(デフォルト)の危機が迫るギリシャへの警戒が続く中、好 業績観測の広がったイオンなど小売株が買われた。サービスや医薬品、 情報・通信など相対的に内需セクターが上げ、原油続落が燃油コスト低 下につながるとみられた空運株も高い。

TOPIXの終値は前日比5.58ポイント(0.3%)高の1630.40、日 経平均株価は125円78銭(0.6%)高の2万235円73銭。

国際投信投資顧問の石井慶人シニアエコノミストは、「ギリシャの 債務問題は国民投票次第。緊縮財政に賛成すれば、リスクオンの相場に 戻る」とみており、世論調査結果では賛成が多く、「株価は反対にはな らないだろうと織り込んでいる」と指摘した。また、30日に迫ったギリ シャの国際通貨基金(IMF)に対する返済期限も、「国民投票通過後 にギリシャ支援が合意になれば、連鎖的デフォルトは起きないだろう」 との認識を示した。

ギリシャ当局者によると、30日が期限のIMFに対する約15億ユー ロの返済について、支払いはできない見込み。格付け会社スタンダー ド・アンド・プアーズ(S&P)は、ギリシャ情勢が予想外に好転しな い限り、半年以内のコマーシャルデフォルトは不可避とし、同国格付け を「CCC-」に下げ、ギリシャがユーロ圏を離脱する確率は現在50% 程度とした。

一方、ギリシャのチプラス首相は29日、同国がユーロを離脱すれ ば、ユーロ圏には膨大なコストがかかると述べ、欧州首脳にはギリシャ を放り出す度胸はないとの考えを示した。ギリシャの世論調査では、有 権者は引き続きユーロ残留に賛成の意向を示している。

きょうの日本株は前日にTOPIX、日経平均ともことし2番目の 下落率を記録した反動から反発して開始。TOPIXはマイナス圏に沈 む場面もあったが、結局プラス、日経平均は午後に堅調さを増した。

米国株は思ったほど下げず、急速円高も一服

カブドットコム証券の河合達憲マーケットストラテジストは、「米 ダウ工業株30種平均の500ドル安は覚悟していたが、思っていたほど昨 日の米国株は下げなかった。昨日の日本株の下げは行き過ぎたとの見方 がある」と指摘。米国では、ギリシャがデフォルトしても通常の運用資 金に対する実害は少ないとみられており、日本でも「好業績の内需関連 の下がったところは買いやすい」と話していた。

前日進んだ急速な円高一服も支援材料。きょうのユーロ・円は1ユ ーロ=137円を挟んで推移、ドル・円は1ドル=122円台前半で取引され た。東京株式市場の29日終値時点は134円89銭、122円43銭だった。

ただ、前日に日経平均が596円安したのに対し、きょうの戻りは125 円と限定的。米国の重要経済統計を控える上、中国株の不安定な動きも 投資家が慎重姿勢を続ける要因だった。米国では1日に6月の供給管理 協会(ISM)製造業景況指数、2日に雇用統計の公表がある。30日の 中国上海総合指数は1.1%安で始まった後、一時5%超下げたが、その 後大幅高に転じた。

公募増資のソニーは急落

東証1部33業種は空運、小売、繊維、サービス、医薬品、パルプ・ 紙、食料品、通信など24業種が上昇。鉄鋼や非鉄、石油・石炭製品、電 機、その他製品など9業種は下落。非鉄は、29日のロンドン金属取引所 のニッケル相場が4.9%安と2009年5月以来の安値となったことも響い た。東証1部の売買高は25億8500万株、売買代金は2兆7434億円。上昇 銘柄数は1279、下落は503。

売買代金上位では、3-5月期営業利益が5割増と30日付の日本経 済新聞朝刊で報じられたイオンが大幅高。アナリストから3-5月期決 算評価の見方が相次ぎ、ゴールドマン・サックス証券が目標株価を上げ たニトリホールディングスも高い。クレディ・スイス証券が投資判断を 上げた塩野義製薬は急伸し、社長交代観測のスズキは午後に買われた。 半面、公募増資による1株価値希薄化の懸念でソニーは急落。任天堂や 住友電気工業、JFEホールディングスも安い。下落率上位では、箱根 山大涌谷の小規模噴火で、小田急電鉄も下げた。

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