米国株:年初来の上げを消す、ダウ350ドル安-ギリシャ危機で

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29日の米株式市場ではS&P500種株価指数 が2014年4月以来の大幅安となり、年初来の上げを消した。ギリシャ金 融危機からの予期せぬ悪影響に対する懸念から世界的な株安となった。

シティグループやJPモルガン・チェースの下げがきつく、S& P500種の金融株指数は2.5%下げた。ダウ工業株30種の構成銘柄ではデ ュポンやビザ、ボーイングの下げが目立った。ギリシャ・ナショナル銀 行の米国預託証券(ADR)は24%急落。米国籍の上場投資信託 (ETF)であるグローバルX・FTSEギリシャ20ETFは20%下げ た。

S&P500種株価指数は2.1%下げて2057.64で終了。200日移動平均 に近づいた。ダウ工業株30種平均は350.33ドル(2.0%)安の17596.35 ドルで終え、年初来の上げを失った。ナスダック総合指数は2.4%下落 し、2014年4月以来の大幅安。

米証券取引所全体の出来高は約74億株と、3カ月平均を16%上回っ た。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は34%上昇。2013年4月以降で最大の上げとなった。

ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディング担当マネ ジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は「ついに限界に達し た」と指摘。「悪い結果となる可能性があるものへの不透明感が非常に 高いため、反射的にリスク資産を減らす動きになる。今週は大荒れにな る可能性がある」と述べた。

ギリシャ情勢

ギリシャは29日未明、銀行閉鎖と資本規制導入を発表。リセッショ ン(景気後退)が深刻化し、ユーロ圏から離脱するリスクが高まっ た。26日にギリシャ救済条件をめぐる同国と債権団との交渉が物別れに 終わり、チプラス首相は債権団が求める緊縮策の賛否を問う国民投票を 7月5日に実施すると表明した。欧州中央銀行(ECB)は28日、ギリ シャの銀行向け緊急流動性支援(ELA)の上限を据え置いた。

この日の午後、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリ シャの格付けを引き下げると、米国株は下げ足を速めた。S&Pは格付 け見通しを「ネガティブ」とし、ユーロ圏離脱の確率は50%前後との認 識を示した。

スタイフェル・ニコラスの市場ストラテジスト兼ポートフォリオマ ネジャー、ケビン・キャロン氏は「土壇場で何らかの明るい解決策が見 いだされるとの期待はあるが、それよりもやや混乱するだろう」と指 摘。「ギリシャ経済が悪化するにつれ、社会不安や神経質さ、欧州連合 (EU)脱退の可能性が出てきており、さらに弱くなる可能性がある」 と述べた。

世界株安

世界的な株安となり、MSCIオール・カントリー・ワールド指数 は2%下落し、13年6月以来の大幅安。ストックス欧州600指数は2.7% 安、日経平均株価は2.9%下げた。上海総合指数は3.3%下げ、弱気相場 入りした。

モルガン・スタンレーの米国株式チーフストラテジスト、アダム・ パーカー氏はギリシャ金融危機が米国株に買いを入れる好機になると指 摘。特に決算シーズンを来月迎えるため、株式投資家は米経済の現在の 強さを受けて、ギリシャをめぐる懸念を過去の一時的な懸念材料とみな すとの見解を示した。

同氏はブルームバーグとのインタビューで、「現在、押し目買いを 入れたいと考えている。決算シーズンが始まる数週間後にはギリシャと いう単語はブルームバーグの端末上であまり目にしなくなるだろう」と 語った。

原題:S&P 500 Wipes Out Gain for Year as Greece Spurs Global Selloff(抜粋)

--取材協力:Adam Haigh、Sofia Horta e Costa.

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