三菱商CFO:資源競争力は世界上位3割、価格回復は17-18年に

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三菱商事の内野州馬最高財務責任者(CFO) はブルームバーグとのインタビューで、同社が保有するシェールガスや 原料炭、銅などの資源権益について世界で上位3分の1に入るコスト競 争力を持っているとの認識を示した。資源価格は2017年-18年ごろに回 復すると見込んでおり、着実に生産量の拡大を図る。

内野CFOは、市況の下落に耐性を持つ資産への投資が重要だと指 摘。「もちろん15戦15勝ではないが、勝ち越しても8勝7敗ではなく て12勝3敗ぐらいの確率で資源ビジネスはやっていかないといけない」 と述べた。インタビューは26日に実施した。

資源事業は市況動向によって利益が大きく左右される。昨年後半か ら原油など資源価格は急落。前期決算では住友商事が資源分野の減損損 失の計上で16年ぶりの最終赤字となったほか、伊藤忠商事はこのほど米 国のシェールオイル・ガス事業からの撤退を決めた。

三菱商事は20年ごろをめどに液化天然ガス(LNG)、原料炭、銅 の持分生産量を12年度に比べ倍増させることを目指している。資源価格 は低迷しているものの「ほぼ予定通りに着実に進めている」と言う。

同社が主導する初のLNG開発計画であるインドネシアのドンギ・ スノロ事業は今夏にも生産を開始する予定。カナダでの大規模シェール ガス開発事業については、想定していなかった原油生産が既に始まって おり事業採算の向上が見込めるとしたほか、ガスをアジア市場に輸出す るために19-20年ごろのLNG生産開始に向けて「順調に進んでいる」 と話した。

アジアが市況回復けん引

原油や原料炭などの商品市況については「現在の需給ギャップから 考えれば、向こう2-3年ぐらいは今の厳しい状況が続く」と見る。一 方、「中国とインド、それに両巨大市場に挟まれた東南アジア」が価格 回復のドライバーになるとの見方を示した。調整局面に入った中国経済 が安定成長に戻るほか、中国に匹敵する人口大国インドでモディ首相が 進める経済改革による成長を背景に商品価格の回復を見込んでいる。

三菱商事は13年4月の時点で47あった事業領域を前期末までに39に 絞り込んだ。そのうち天然ガスや生活原料といった4つの事業部門で純 利益は200億円を超える。さらに100億円を超える事業は電力や鉄鋼製品 など6つとなった。20年までに事業領域を35-40にすると計画している が、「選択と集中を高めて資産の効率を上げることは先駆けて行ってい る」と述べた。

今期の配当金は1株当たり56円を見込む。創立60周年の記念配当も あった前期から14円の減配となるが、1000億円を上限とした自己株式取 得の実施により総還元性向は52%と9ポイント向上する。株主還元につ いては「必ずしも総還元性向を基準に置いているわけではなく、フリー キャッシュフロー(純現金収支)が想定以上に出てくれば自社株買い実 施の検討材料になる」と説明した。

米国の利上げについては「各種指標を見ていると着実に景気は回復 しており、年内に利上げがあるという前提で対応している」と語った。 「アジア通貨危機の時のように一斉にドルが還流することは想定してい ないが、新興国経済の減速が起きないかどうか、金利や為替動向はいろ いろと想定して対応策を考えておく必要がある」と述べた。

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