兄弟CEOはライバル、別々のシェール層掘削企業で将来担う

ワニ狩りの仕方について、2人の 兄弟にこんな質問を投げ掛けてみた。あなた方だったら体調9フィート (約2.7メートル)のワニに飛び掛かるか、それとも頭部を銃で撃つと いうより賢明なやり方のどちらを選ぶか。体重数百ポンドのワニは闘犬 ピットブル12匹分もの力でかみついてくるかもしれない。

ローラー兄弟の答えは「飛び掛かれ」だ。楽な決断をしていたらこ の兄弟が石油業界で押しも押されもせぬ最高経営責任者(CEO)にな ることはなかっただろう。

最初に飛び掛かったのはもちろんダグ・ローラー氏だった。ダグ氏 は弟のデーブ氏より1年5カ月年上だ。

米サウスカロライナ州の湿地での狩りで、ダグ氏(48)は、岸に引 き上げられたばかりのワニの上に乗った。ダグ氏は何とかワニの口をふ さいだがワニは暴れ、のたうち回っている。

弟のデーブ氏も飛び乗り、粘着テープでワニのあごを封じるのを手 伝った。ワニはとうとう降参した。

「本当に怖かった」とダグ氏はこの狩りを振り返る。ワニは慈善オ ークションに出品した。

デーブ氏は兄に対し「それほど怖くなかった」というような表情を 見せる。冗談を言い合うローリー兄弟は仲が良い。

待ち受ける任務

湿地でのこの格闘劇がさらに興味深いのは兄弟には立派な本職があ るということだ。最近、2人そろって米国の大手シェール層掘削会社2 社のCEOにそれぞれ就任した。ダグことロバート・ダグラス氏はチェ サピーク・エナジー(オクラホマシティー)、デーブことデービッド氏 は最近ヒューストンを拠点として設立された英BPの子会社のトップに 抜てきされた。

原油・ガス価格が昨年5月以降42%下げ、ここ数十年で最大の下落 を示している。そうした厳しい環境下で、元大学フットボール選手で宿 命のライバル、親友でもある兄弟が米エネルギー業界を変革しようとし ている。その意味ではワニとの格闘は、2人を待ち受ける任務を象徴し ているかのようだ。つまり、リスクを取る覚悟やチームワーク、臨機応 変な対応と、単なる運以上の何かが必要だ。

デーブ氏はBPを陸上水圧破砕事業を手掛ける主要企業にするとい う任務を負う。主に規模のより小さい独立系企業が米国史上最大級のエ ネルギー革命の中心となる中で、大手石油会社のBPはこれまで同事業 に本腰を入れてこなかった。ブームを生み出した新興企業の成功を単独 で達成できるような企業を目指している。

ダグ氏は2013年半ばにチェサピークのCEOに就任した際、デーブ 氏の場合とは異なる課題を引き継いだ。デーブ氏就任前の5年間、同社 はカリスマ創業者のオーブリー・マクレンドン氏が率いていた。同氏は シェール層の天然ガス開発を推進し、支出は収入を440億ドル(約5 兆4000億円)余り上回った。ガス業界のロックスターのような存在だっ たマクレンドン氏は株主からの抵抗に遭って辞任した。

ローラー兄弟には、シェールブームが過熱しエネルギー価格が下落 した後にシェール層掘削事業の継続を任された新CEOという共通項が ある。

兄弟の報酬は高額だ。チェサピークの届け出によれば、ダグ氏の昨 年の報酬は約1500万ドル。事情に詳しい関係者によると、デーブ氏 (47)は100万ドルを大幅に上回っている。それでも、年に数回、兄弟 でディナーに出掛ける時には、ダグ氏は電話をかけるふりをして姿を消 し、弟のデーブ氏に請求書を託すだろう。

デーブ氏は気にしない。いつものように「髪の毛は兄より多いよ」 と切り返す。

原題:Brothers Hunt Gas (and Gators) as CEOs of Rival Shale Empires(抜粋)

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