ギリシャ救済、6月30日の期限までに合意ない場合どうなる?

更新日時

ギリシャ危機はこれまでに何度も期限を通過 したが、同国の位置付けに変化はなくユーロ圏にとどまってきた。最新 の期限となる6月30日に、ギリシャは現行の救済プログラムの失効と、 国際通貨基金(IMF)への返済期日を迎える。投資家は心配すべきな のか、それとも政府首脳と債権者が問題に取り組む予定の単なる一つの 日付にすぎないのかが問題だ。

◎6月30日に何が起こるのか?

2012年2月に合意したギリシャ第2次救済プログラムが、昨年12月 以降の2回の延長を経て失効する。さらなる期間延長や新たな合意がな ければ、欧州連合(EU)と欧州中央銀行(ECB)、IMFで構成さ れる公的債権者から残りの資金を引き出せなくなる。

理論上は、公的債権者はギリシャを支援プログラム下にない他の国 と同様の扱いとせざるを得ないだろう。これは預金が流出するギリシャ の銀行を破綻させないようにしてきたECBには特に問題だ。

◎ECBはギリシャへの融資を継続できないのか?

ECBは、ギリシャの銀行が支払い能力を持ち続け十分な担保を出 し続ける限り、銀行向け緊急流動性支援(ELA)を継続可能と説明し ている。救済の終了は銀行が自動的に支払い不能に陥ることを意味しな いものの、担保の質が疑問になってくる。

ECBがELAへのアクセスを多少延長する場合でも、銀行はいず れは適格担保がなくなる。ECB政策委員会メンバー、バイトマン独連 銀総裁は、ギリシャの銀行への資金供給はEU規則で禁止されているマ ネタリー・ファイナンスの懸念を浮上させると繰り返し警告している。

◎EU首脳らが救済プログラムを延長することはできないのか?

チプラス政権発足を受け債権者との合意をまとめるための時間を与 えるとして2月には延長したが、今回はもっと難しい。チプラス首相に は、さらに資金を引き出すための条件合意に向けて5カ月という期間が あったからだ。合意が成立するまで支援資金の支払いを実施せずに救済 プログラムを延長しても、手元資金をほぼ使い果たしたギリシャには債 務の履行はできないだろう。

さらに、救済延長にはドイツの議会などユーロ圏諸国での議会承認 が必要になるという難しさもある。ドイツ側は、独連邦議会(下院)が 行動を取る前にギリシャの議会がまず経済政策改革を可決しなければな らないとの立場を取っている。

◎ギリシャがIMFに返済しない場合を懸念すべきか?

IMFへの返済を行わないこと自体はデフォルト(債務不履行)に は相当しない。ただ、IMFのラガルド専務理事は先週、ギリシャが15 億ユーロ(約2070億円)の返済を30日に行わない場合、直ちに滞納にな り猶予期間というものはないと述べ、警鐘を鳴らした。

ギリシャは滞納状態のまま、既存の救済プログラムを含めてIMF からのいかなる融資にもアクセスを失い、お手上げ状態に陥る。

◎ギリシャの資金が実際に底を突くのはいつか?

政府はECBに対して7月20日に約35億ユーロ、8月20日にさら に32億ユーロという多額の返済の期限を控えて苦しい状況に陥ると想定 するのは妥当だろう。いずれかが不払いとなれば、ECB当局者はギリ シャの銀行向け延命措置を継続すべきだと主張することは非常に難しく なる。

銀行向け資金が閉ざされれば、政府は資金流出に歯止めをかけるた めに資本規制の導入を余儀なくされる。昨年12月以降に引き出された預 金は300億ユーロを超えている。

◎ギリシャは6月30日の後に破綻するのか?

恐らく即座にそうなることはないだろう。だが、合意がない場合に ギリシャが資本規制を導入せずにどう生き残ることができるのかは予想 しにくい。政府は地方自治体や他の国有事業から集めた準備金に頼りな がらあと2、3週間もしくは2、3カ月はやりくりできるかもしれな い。

ギリシャが債務返済を行わないためにユーロ圏からの離脱に追い込 まれるとは一概には言えないが、国内外からの請求が膨らみ自国通貨の 発行を迫られるのは時間の問題かもしれない。

原題:What If There’s No Deal on Rescuing Greece by June 30 Deadline?(抜粋)

--取材協力:Arne Delfs.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE