ECBトレード再開で欧州株高・金利低下へ-1.05ドルにユー

ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥っ たとしても、債権団との交渉が成功しても、為替相場の焦点は欧州中央 銀行(ECB)の量的緩和(QE)を背景としたトレードに回帰してい るため、ユーロの売り圧力が強まる、と市場関係者はみている。

ECBは少なくとも2016年9月まで月600億ユーロの証券を購入す るQEプログラムを実施するとしている。ブルームバーグのデータによ ると、ユーロは年初来で4.4%下落し、主要10通貨の中でニュージーラ ンド・ドルに次ぐ下落率となっている。対ドルでは3月16日に一時1ユ ーロ=1.0458ドルと、03年1月以来の安値を付けた。

バークレイズのアジア太平洋為替戦略責任者、ミツル・コテチャ氏 は、「ECBは来年9月まで緩和策を続ける見通しで、ユーロには下押 し圧力がかかり続ける」と予想。「現時点でECBの政策がユーロ相場 の鍵になるとみている」と言い、7-9月期にもユーロが対ドルで等価 まで下落すると見込む。

ユーロ圏消費者物価指数(CPI)は5月に前年同月比0.3%上昇 と、6カ月ぶりにプラスとなったが、ECBが物価目標の目安とする2 %弱を下回る状態が続いている。

ECBトレード復活

ドイツの10年物国債利回りが過去最低の0.049%を付けた4月、欧 州株の指標であるストックス欧州600指数は過去最高を記録した。EC BのQEに伴う欧州金利の低下で、ユーロが売られ、ユーロ安を背景と した企業収益の改善で株価が上がるECBトレードの展開だ。

その後は、ユーロ圏の景況感改善を受けて、QEが早期に打ち切ら れるとの観測が出たことなどを背景にドイツの長期金利が6月に1%台 を回復すると、ユーロは1.1ドル台前半まで水準を戻している。

三菱東京UFJ銀行市場企画部の天達泰章アナリストは、1月から 続いたECBトレードは4月まで継続した後に、5月は利益確定の動き で反転局面にあったが、「6月に潮目が変わった」と説明。市場の焦点 は「ギリシャから欧米金利差にシフトしてきている」とし、7月以降は ユーロ売りが再開するとみる。

天達氏は、ユーロが対ドルで7月にも1.05-1.06ドル程度まで下落 する展開を予想。ユーロ・円相場については、対ドルでユーロが安値を 付けるタイミングで1ユーロ=131-132円まで下落すると見込む。26日 現在は137円台後半で推移している。

ギリシャは国際通貨基金(IMF)への債務返済期限を今月30日に 控え、債権団とぎりぎりの交渉を続けている。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「ここからさ らに事態が悪化して、ギリシャがデフォルトからユーロ圏離脱というこ とになればさらにプラスの悪材料になるので、まだユーロの下を考える 必要がある」と指摘。一方で、「ECBが追加の緩和を考えるほど経済 が悪化しなければ、しばらくは経済指標をにらみながらユーロは1.10-

1.15ドルの間でのもみ合いがしばらく続く」とみる。

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