「竹の組織」を率いてきた中国、AIIBで国際機関の主役に

米国は世界銀行を牛耳り、欧州は国際通貨基 金(IMF)に強い影響力を持つ。日本はアジア開発銀行(ADB)の かじ取りを担っている。では中国はどうか。同国がこれまで主導権を握 ってきた国際機関は、竹と籐(トウ)の公正な貿易を通じて生産者など の福祉向上を目指す国際竹籐組織(INBAR)くらいのものだった。

資本金1000億ドル(約12兆3000億円)のアジアインフラ投資銀行( AIIB)の設立協定の調印式が29日に北京で行われ、世界各国の当局 者が集まる。

中国主導のAIIBに参加の意思を表明して出資する他の56カ国 は、AIIBの方向性に内部から影響を与え、その過程でビジネスを獲 得することに期待する。中国が最良の慣行に従わず、環境を損なうプロ ジェクトへの融資や縁故政治に見返りを与えるような行動を取るのでは ないかとの懸念から、日本や米国は参加を見合せ外側にとどまってい る。

中国人民大学国際関係学院の金燦栄副院長は「中国がAIIBを成 功に導くためになすべきことは多い」と指摘。「今回の件は中国が国際 組織を率いる上での先例となるだろう。中国は域内外で戦略的な影響力 を一段と行使することが可能になる」と述べた。

中国がAIIB設立に動いた理由の一つは、自国がIMFなどの国 際機関での発言力を高めることができないとのいら立ちだった。人民元 の国際化に向けた中国当局の意思も動機の一つだ。

交銀国際の中国担当チーフストラテジスト、洪灝氏(香港在勤)は 「中国当局は人民元を国際決済通貨にしようと取り組んでおり、それが AIIB設立のそもそもの主要なポイントだった」と指摘。「AIIB があくまでドルを使用し続け、ドル支配の状況が変わらなければ、こう した全ては意味を失うことになろう」と述べた。

原題:From Bamboo Network to World Bank Rival, China Takes the Wheel(抜粋)

--取材協力:Keith Zhai、Xin Zhou.

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