チャットルームの公然の秘密が焦点-債券市場でも談合の機会か

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ウォール街の主要銀行が外国為替市場の操作 で有罪を認め、約60億ドル(約7430億円)の支払いに応じることで5月 に決着した米連邦当局の刑事捜査は、為替トレーダーに都合よく取引を 調整するための談合の機会があるという「公然の秘密」がきっかけとな った。

米司法省で為替操作の訴追手続きを担当した部署は現在、12兆7000 億ドル規模の米国債市場に新たに照準を定めて調査あるいは捜査に動き つつあり、米国債市場ならではの「公然の秘密」が焦点になる。

事情に詳しい複数の関係者が今月語ったところでは、司法省の反ト ラスト(独占禁止)担当者は、米国債に関係するトレーディングについ て調べを進めている。当局の関心を引く具体的な取引の種類は明らかで はない。

米財務省が年間を通じて数多く実施する米国債入札への応札では、 プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)22社のセールスパ ーソンが数十億ドルもの資金を動かす。事情に詳しい複数の関係者によ れば、これらの金融機関の一部で働くトレーダーには、入札の数時間前 に応札の具体的な中身を知り得る機会がある。

関係者によると、一部のプライマリーディーラーのトレーダーはオ ンラインチャットルーム経由で他行の相手と情報交換を行っており、関 係者の1人によれば、顧客の国債注文をめぐるうわさ話のやりとりも昨 年時点で行われていた。

有益な情報

数兆ドル相当の債券の価格を動かすことも多い米国債入札は、グロ ーバル市場への影響力が格段に大きいが、これらの銀行間で内々で交わ される会話を通じて、米国債に関する有益な情報がトレーダーにもたら されることもあり得る。

こうしたシナリオの可能性を描く関係者は、債券トレーダーが市場 を出し抜くためにその種の情報を利用した特定の事例には触れておら ず、いずれの銀行の不正行為の疑惑も指摘していない。さらに複数の銀 行のトレーダーの間でどの顧客の注文が話題になったかや、どのチャッ トルームが使われたかについても正確に確認していない。

デューク大学法科大学院のジェームズ・コックス教授(法学)は 「米国債市場は規模が非常に大きい割に参加者は少なく、有害な共謀行 動の温床になり得る環境だ」との見方を示す。

司法省のピーター・カー報道官と財務省のアダム・ホッジ報道官 は、いずれもコメントを控えている。

原題:Trader Talk an Open Secret as U.S. Probe Turns to Treasuries (1)(抜粋)

--取材協力:Ian Katz、Susanne Walker Barton.

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