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日本総研・高橋氏:日銀緩和の「金利ボーナス」あるうちに歳出改革を

経済財政諮問会議の民間議員を務める高橋進 日本総合研究所理事長は、財政再建に関し、日銀の金融緩和政策によっ て金利が低く抑えられている「金利ボーナス」が続いている間に歳出改 革を進めるべきだとの考えを示した。

高橋氏は23日、ブルームバーグとのインタビューで、「今は金利ボ ーナスの時期。金利が低く抑えられているからこそ債務残高対国内総生 産(GDP)比も抑制されている。この時期に歳出の構造改革をしなく てはいけない」と話した。

金利ボーナスがいつまで続くかとの問いには「そんなに遠い時期で はない。だからこそ僕らは18年までを集中改革期間とし、質的な改革を 軌道に乗せるためにいろんなことを実行していく」と回答。金融緩和に ついて「長く続くということはデフレ脱却ができていないということ」 になるとの見方も示し、「いつまでも金利ボーナスをあてにしていては いけない」と話した。

同会議は22日、財政健全化計画を盛り込んだ「経済財政運営と改革 の基本方針」(骨太の方針)の素案を了承、月末にも正式決定する。

素案は、20年度の基礎的財政収支(PB)の黒字化目標達成に向 け、16年度から18年度までを「集中改革期間」と位置付けた。安倍晋三 政権がこれまでの3年間で一般歳出総額の増加幅を1.6兆円程度に抑え た実績に言及し、18年度までの増加幅も1.6兆円程度に抑制するという 「目安」を明示した。うち1.5兆円は社会保障費とした。

歳出枠

素案作成の過程では、政府と自民党の間で歳出枠の設定をめぐる意 見の相違があった。

自民党は16日、安倍首相に対し、社会保障費の伸びについて今後3 年間は年平均0.5兆円程度に抑制することを提言。甘利明経済再生相は 同日の会見で、「将来の歳出規模を固定化してしまうことは、完全にい ろいろな意味で手足を縛るということになる」と話していた。

素案では「経済・物価動向等を踏まえ」との前置きをした上で、一 般歳出の増加幅を1.6兆円程度にすることを「目安」とすることで折り 合った。

高橋氏は目安の設定について、「結果的に破たんしてしまうような 無理な歳出枠を作ることが答えではない」と主張。1.6兆円という額に ついては、「これから物価や賃金が伸びていくとすれば、機械的に数字 を置くことは名目で横ばい、実質でマイナスだ」として、過去3年間の 実績よりも厳しい目安になると指摘した。

追加緩和と為替

政府は17年4月に消費税の10%への引き上げを予定している。高橋 氏はその際に予想される景気の落ち込みへの対応として、追加緩和は 「必ずしも必要とは思わない」と発言。企業収益が改善し、賃金が上昇 し、設備投資が増加するという「循環がきちんとかみ合えば環境は十分 に作れる」と述べた。

為替の水準については「これ以上円安になり、かつ原油価格が上が りだすと交易条件は悪化してくるから、安ければ安いほどいいという話 ではない」と指摘。さらに、「円の独歩安が続くとそれに対する国際的 な批判が出てくる危険性もある」と話した。

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