主要中銀で最も忙しい総裁、黒田氏-年14回の会見や国会出席で

日本銀行の黒田東彦総裁は年間14回の金融政 策決定会合後の記者会見、年初から23回もの国会出席、内外での10回の 講演・あいさつで他の主要中央銀行総裁に比べて露出の頻度がずば抜け ている。2月に至っては公的な場での発言は2日に1回以上という精勤 ぶりだ。

日銀は情報発信のさらなる充実を図ることを名目に、金融政策決定 会合の開催回数を8回に減らし、米連邦準備制度理事会(FRB)、イ ングランド銀行(英中央銀行)、欧州中央銀行(ECB)と足並みをそ ろえた。

ブルームバーグの推計では黒田総裁の国会出席は今年、30回に達す る見通し。これは日銀総裁としては2002年以来の最多回数だ。

日銀法では総裁、副総裁、審議委員、理事といった日銀の代理者は 国会から説明を求められた場合、出席しなければならないとしている。 昨年10月には黒田総裁が国会に80分間呼ばれたため、金融政策決定会合 を中断しなければならなかった。これは現行組織になって16年間で初の ことだ。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮嵜浩シニアエコノミスト は「政策決定会合中や直前に総裁を国会に呼ぶのは危険だ。昨年10月の ように票が割れるような事案を検討している時は特に高くつく。日銀の 大切な時に国会が介入することを避けるための規則が必要かもしれな い」と述べた。

イエレンFRB総裁やドラギECB総裁はそんなに頻繁に議会に呼 ばれることはないし、議会出席はかなり前から予定に入っている。黒田 総裁や日銀幹部は直前でも呼び出しが可能だ。

通常国会の会期が9月27日まで延長されたことで、黒田総裁の出席 日数はそれだけ増えそうだ。黒田総裁が今月10日の衆院財務金融委員会 で実質実効レートでは「ここからさらに円安はありそうにない」と発言 し、急激な円高局面となったような場面が再現される可能性もあるわけ だ。

JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは「黒田総裁は引 き続き失言や誤解のリスクに直面する」と危惧する。

--取材協力:James Mayger.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE