日本株は5日ぶり反落、ギリシャ期待後退と96年来高値の反動

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25日の東京株式相場は5営業日ぶりに反落。 ギリシャ債務交渉への期待感の後退、日経平均株価が前日に18年半ぶり の高値を付けた反動から売りが優勢だった。ゴム製品や輸送用機器など 輸出関連株が下げ、電力や不動産、パルプ・紙など内需株も安い。

TOPIXの終値は前日比8.98ポイント(0.5%)安の1670.91、日 経平均株価は96円63銭(0.5%)安の2万771円40銭。

JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マ ーケット・ストラテジストは、ギリシャ情勢について「前日夕方からの 状況を見る限り、予断を許さない」と指摘。今週前半にかけ、協議が前 進する可能性を「さまざまなマーケットが好感していたが、まだ根本的 な部分で関係者の意見が合わない」と話していた。

ギリシャ支援をめぐり、24日から25日未明にかけブリュッセルで交 渉が行われたが、事態打開には至らず、ギリシャの国際通貨基金 (IMF)に対する返済期日が30日に迫っている。ギリシャ政府は一連 の会合で、従来の立場を維持したと表明。欧州連合(EU)当局者は協 議がほとんど前進せず、打開のめども立っていないと述べた。25日未明 に協議を打ち切ったギリシャのチプラス首相と債権者の3機関のトップ は同日午前中の交渉再開で合意した。

24日の欧米株式は、ストックス欧州600指数が0.4%安、米S& P500種株価指数が0.7%安など下落。また、前日の日経平均はITバブ ル時の2000年4月に付けた高値2万833円21銭を更新し、1996年12月以 来の水準を回復。直近4営業日で877円上昇していた。テクニカル指標 のボリンジャーバンドでは、2標準偏差の上限を突破する状況だった。

きょうの日本株は、日経平均が朝方に109円安まで下げた後、一時 1円安まで下げ渋ったが、午後後半に再び弱含んだ。きょうのドル・円 相場は、午前に1ドル=123円80-90銭台で取引されたが、午後は同60 銭台で推移。前日の日本株市場の終値時点は124円で、やや円高水準だ った。中国上海株が午後の取引後半に下落基調を強めたことも、投資家 心理にはマイナスに作用した。

米でTPA法案可決

ただ市場では、現時点でこのまま大きく下げるとみる向きは少な い。国内企業業績に対する安心感が根強い上、米上院は24日の本会議 で、オバマ大統領に通商協定の一括交渉権を付与する大統領貿易促進権 限(TPA)法案を賛成多数で可決。いちよしアセットマネジメントの 秋野充成執行役員は、「環太平洋連携協定(TPP)に対する期待が高 まり、プラス」とみている。実際、きょうの東証1部市場ではコープケ ミカルや井関農機、ヤマタネなど農業関連を中心とした低位のTPP関 連銘柄は買われた。

ギリシャ情勢についても、松井証券の窪田朋一郎シニアマーケット アナリストは同国が仮に債務不履行(デフォルト)となった場合、 「2012年時と違い、ギリシャの国債を保有しているのが民間の金融機関 でなくなってきている。以前のようにシステミックリスクに陥る可能性 も減少し、影響は限定的という見方が支配的」としている。

東証1部33業種はゴムや電気・ガス、パルプ・紙、不動産、輸送用 機器、倉庫・運輸、ガラス・土石製品、食料品など24業種が下落。海運 やその他製品、保険、石油・石炭製品、情報・通信など9業種は上昇。 東証1部の売買高は20億8032万株、売買代金は2兆3492億円。値上がり 銘柄数は427、値下がり1351。

売買代金上位ではTDKやKLab、三井不動産、マツダ、三井化 学、日本特殊陶業が下げ、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を下 げたダイキン工業、「買い」コンビクション・リストから削除したファ ナックも安い。半面、NTTやアルプス電気、任天堂、JR東海、ユ ニ・チャーム、電通、ニコンは高く、材料系中低位銘柄のMrMaxや さが美は急伸した。

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