資産運用助言も「ロボにお任せ」、顧客開拓切り札か-投信2強

老後資金を管理・運用したいと投 資顧問会社から営業攻勢を受ける米国民の多くは、アドバイザーの話を 完全に無視し、コスト低減のために自ら選択する傾向が強い。こうした 状況で、ファンド業界の巨人であるバンガード・グループとフィデリテ ィ・インベストメンツは、ロボットの力を借りて顧客獲得に取り組んで いる。ブルームバーグ・マーケッツ誌7・8月号が伝えた。

合計で5兆4000億ドル(約670兆円)相当の資産を運用する両社の 間では、ロボ・アドバイザーサービスという新たな分野で顧客獲得競争 がエスカレートしている。ロボ・アドバイザー会社はアルゴリズムを活 用し、顧客がオンラインで答えた内容に基づいてポートフォリオを設計 する。ボストンの調査会社エイト・グループの予測では、この種のポー トフォリオは2014年初めの約160億ドルから15年中に3倍強の最大600億 ドルに拡大する見通しだ。

バンガードが40年前にインデックス投信で火を付けた手数料引き下 げ競争にロボ・アドバイザーサービスの新興企業であるウェルスフロン トとベターメントが拍車を掛けている。投資助言料を引き下げるために 生身の人間とコンピューターを勝負させる「新たな競争」が起きている とエイトの調査ディレクター、アロイス・パーカー氏は指摘する。

バンガードは米カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くウェルス フロントと提携している。同社のアルゴリズムは平均的ポートフォリオ の約90%をバンガードのファンドに向かわせる。追いかける市場は異な るが、両社の首脳は互いの戦略を称賛し、バンガードのビル・マクナブ 最高経営責任者(CEO)は、ロボ・アドバイザーの動向を熱心に見守 っていると話す。

手数料も割安

バンガードは預かり資産5万ドル以上の顧客向けのロボ・アドバイ ザーに似たサービスを5月に発表した。ロボ・アドバイザーの新興企業 に集まるのはミレニアル世代だが、バンガードの顧客ターゲットは退職 者や退職の時期が近い人たちだ。バンガードのアルゴリズムは年齢やリ スク許容度などオンラインで集めた特性に着目する。顧客は投資プラン を確定する前にアドバイザーと話をする。従来型のアドバイザーを使え ば手数料は1%以上になるが、バンガードは年間で預かり資産の0.3% 相当をファンド手数料に上乗せして徴収するだけだ。

フィデリティ(本社ボストン)はロボ・アドバイザーサービス業界 2位のベターメントと昨年10月に提携し、フィデリティが取引の決済や 資産管理を行う3200の独立系顧問会社をベターメントのソフトウエアに 誘導している。ロボ・アドバイザープログラムがポートフォリオを選定 し、自動的にリバランスも行うことで時間とコストを節約できる仕組 み。フィデリティはベターメントから紹介料を得る。

市場の平均を上回るリターンを目指すファンドをビジネスとしてき たフィデリティは、自動的にリバランスを行うファンドとポートフォリ オを設定するオンラインツールを既に用意しているが、リテール(小 口)投資家向けのロボ・アドバイザーサービスを行う計画は現段階では ない。同社は顧客の預かり資産に応じて0.55-1.7%のアドバイザリー サービス料を得ている。

ロボ・アドバイザーをめぐるフィデリティとバンガードの競争が激 しさを増す中で、顧客資産規模で米最大の独立系証券会社であるチャー ルズ・シュワブが勝者になる可能性もある。同社は3月9日にリテール 投資家向けのロボ・アドバイザーサービスの提供を開始。このプログラ ムの顧客資産は5月末時点で24億ドル、口座数は約3万3000件に達して おり、「プレッシャーになっている」とエイトのパーカー氏は話してい る。

原題:Robo-Investing Pits Vanguard Against Fidelity in Latest Rivalry(抜粋)

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