日本企業のガバナンス意識変化、内側から胎動-対日投資家

リターン向上やガバナンス(企業統治)改善 を要求するアクティビスト(物言う株主)ら外部から様々な圧力を受け ている日本企業。実は変化は内側から起きつつあると、ベテランのヘッ ジファンド運用者、デービッド・バラン氏は指摘する。

昨年2月の日本版スチュワードシップコード導入は、日本企業が経 営の不備に対する投資家の非難を受け入れる用意があるということを示 していると、バラン氏は述べた。これまで物言う株主の要求を退けてき た日本企業にとっては大きな変化だ。同氏は東京に本拠を置くヘッジフ ァンド、シンフォニー・ファイナンシャル・パートナーズの共同創業者 で、日本に30年間投資している。

日本を代表する大手企業225社の大半が今週から来週にかけて株主 総会を開催する。スチュワードシップコード導入および6月1日のコー ポレートガバナンスコード適用後の最初の株主総会となる。これらの自 主的な指針が制定されたのは、内部留保や社内登用者のみから成る取締 役会、株式持ち合いなど従来の企業慣行に反対する新たな共通認識が芽 生えていることが背景にある。こういった慣行も一因となり、日本企業 の株主資本利益率(ROE)は2013年までの10年間で世界平均の半分に 落ち込んでいた。

バラン氏は東京でのインタビューで、「日本の株式市場に変化を強 要することはできないというのがわれわれのかねてからの見解だ。変化 は内側から起きる必要がある」と語った。

スチュワードシップコードは金融庁によって「コンプライ・オア・ エクスプレイン(順守するか、順守しないのならその理由を説明せ よ)」の原則に基づいて策定された。コーポレートガバナンスコード は、企業にROE目標の設定、透明性向上など株主の利益にかなう措置 を義務付けている。

好機到来

バラン氏はスチュワードシップコードの方が企業と株主の間の共通 認識をより良く示していると指摘。同氏は2000年にシンフォニーを共同 で設立。それ以前はゴールドマン・サックス・ジャパンやリーマン・ブ ラザーズ・ジャパンで自己勘定取引トレーダーとして勤務していた。シ ンフォニーの運用資産は約7億ドル(約867億円)。

配当が増加している上、過去数十年にわたって外部からの要求を拒 否してきた日本企業からダニエル・ローブ氏ら物言う株主が株主還元を 引き出したことから、日本企業の株主重視への姿勢の変化はますます注 目を集めている。米ヘッジファンド運用会社サードポイントの創業者で あるローブ氏の説得を受け、ロボットメーカーのファナックは配当性向 を2倍に引き上げることにした。

東京に本拠を置くロジャーズ・インベストメント・アドバイザーズ のエド・ロジャーズ最高経営責任者(CEO)は、変化はすでに徐々に 起きており、日本のヘッジファンド運用者にとって好機が増えると述べ た。

スパークス・グループの阿部修平社長は、投資家と企業の両方が貯 蓄を投資に回りやすい環境を作らなければならず、政府が企業と投資家 の対話を促していると指摘。「この重要性を認識しないと、今の時代を 全く違うことを考えて生きていることになる」と語った。

原題:Japan Governance Shifts on Evolution, Not Overthrow, Baran Says(抜粋)

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