デンソー:完全自動運転には時間-高度運転支援はトヨタ外へも

トヨタ自動車グループ最大の部品メーカー、 デンソーは、グーグルなどが目指す完全な自動運転の実用化には時間が かかり、2030年ごろまでは難しいとみている。現状はドライバーの操作 を必要とする高度運転支援技術に軸足を置く自動車メーカーが多く、当 面はこうした分野で対応を進める。

デンソーの有馬浩二社長は18日、愛知県刈谷市の本社でのインタビ ューで自動運転技術について、都市部や過疎地、高速道路など千差万別 の道路環境があると指摘し、完全な自動運転は「時間がかかると思う」 とし、30年ごろまで実現が難しいのではないかとの見通しを示した。

トヨタなどの自動車メーカーが開発を進める自動運転技術は、ドラ イバーの運転を支援するシステムが中心となっている。これに対し、グ ーグルはドライバー不要の自動運転車の開発を目指している。完全な自 動運転は技術面の問題のほか、公道で事故が発生した場合の責任問題と いった法整備なども課題となっている。

こうした中、有馬氏は先進運転支援システム(ADAS)で、デン ソーが基幹部品を開発したことを明らかにした。最大顧客のトヨタが年 内導入を予定する予防安全パッケージ「トヨタ セーフティセンスP」 に採用されるほか、トヨタ向け限定の技術ではなく、早ければ来年から 他メーカーへの販売も進めるという。

有馬氏はADASなど高度運転支援技術について、自動運転技術に 至る初期のステップと位置づけ、近年は「それがないとユーザーに買っ ていただけない」ほどの人気のため、世界の自動車メーカーでも早期採 用したいとの意向が高まっているという。「可能な限りどこのメーカー ともやりたい、垣根はない」と話した。

ミリ波レーダーと画像センサー

ADASは画像などの周囲の情報で車を電子制御して衝突や車線逸 脱の回避、前車との車間距離保持などを実現するシステム。富士重工業 と日立オートモティブなどが共同開発してステレオカメラを使った「ア イサイト」のほか、一部欧州メーカーも採用している。

デンソー広報担当の岩田友梨氏によると、同社はミリ波レーダーと 画像センサーを開発。トヨタの新システムでは、ミディアム・上級車向 けのパッケージに搭載される。2つのセンサーを組み合わせ、車両だけ でなく歩行者の検知も高い信頼性で実現。共同開発や特許を共有する場 合などで特定の自動車メーカーにしか販売できない商品もあるが、今回 はそうしたケースに当たらないとしている。

有馬氏は81年京都大学工学部卒後、日本電装(現デンソー)入社。 イタリアで買収先の再建などを手がけ、14年6月から専務。取締役を経 ないまま19日の株主総会後、社長に就任した。

世界の自動車部品業界をめぐり、独ZFフリードリヒスハーフェン による同業大手の買収や、米ジョンソンコントロールズによる自動車部 品事業分離の検討など再編していく動きが出ている。有馬氏は、こうし た動きにあまり関心はなく、デンソーとして大型の企業合併・買収 (M&A)などは考えていないとした。

--取材協力:Craig Trudell.

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