【クレジット市場】ギリシャのサムライ債、7月に迫る償還-試金石か

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債務危機に直面するギリシャのサムライ債 (円建て外債)が7月に償還期限を迎える。大詰めを迎えたギリシャ救 済協議が不調に終われば、サムライ債の償還も危うくなり、同国債に債 務不履行(デフォルト)の連鎖が起きる恐れがある。

ブルームバーグのデータによると、ギリシャ債の償還は1995年発行 の第9回サムライ債(残高117億円)が7月14日となっており、既発の ギリシャ債の中では最も早い。同月20日には欧州中央銀行(ECB)が 保有するギリシャ国債35億ユーロ相当の償還が控えている。

ユーロ圏の救済プログラム失効を控えて、ギリシャは30日、国際通 貨基金(IMF)からの債務15億ユーロの返済期限を迎える。22日の臨 時ユーロ圏首脳会議で、同国はユーロ圏諸国から救済資金を得るため、 大詰めの協議を行った。ギリシャのチプラス政権は新提案を示したが、 ユーロ圏各国首脳は同国に対し、48時間以内に一段と歩み寄る最終決断 を下すよう求めた。週内合意を目指す。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは4月のリポートで、 IMF債務を返済できなくても、必ずしも国債デフォルトとは限らない が、その可能性は高まるとの見解を示した。

みずほ証券のクレジットアナリスト、金子良介氏はギリシャが5日 期限のIMFからの債務3億ユーロを月末に延長したことを挙げ、「こ の3億ユーロが駄目なら、サムライ債は返せない可能性もある」と指 摘。その場合、他のギリシャ国債にもデフォルトが及ぶ「クロスデフォ ルトになって、リスクが広がる可能性がある」と語った。

7月に償還期を迎える今回のサムライ債の代表管理会社であるみず ほ銀行の広報担当、塩野雅子氏は「状況を見ながら慎重に対応してい く」とコメントした。

急落

BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストは、サム ライ債の償還について、「ECBやIMFへの支払いを止めて、そっち を払いますというのは許されない可能性がある」と指摘。サムライ債の 償還日を「延長するとか、もう一度見直すことはあり得る」との見方を 示した。

ギリシャでは、欧州危機後の金融支援の条件として導入された緊縮 プログラムの見直しを掲げる急進左派連合(SYRIZA)が1月25日 の総選挙で圧勝。債権者との交渉が難航したため、7月償還のサムライ 債相場は総選挙直後から19.5%下落し、22日時点で額面100円当た り76.6円となっている。

今後、償還を控えているギリシャのサムライ債は7月の第9回債の ほか、16年2月の第12回債(残高132億円)や同年8月の第15回債 (同245億円)がある。

サムライ債をめぐる過去のデフォルトは、02年のアルゼンチン債の ほか、金融危機の影響に伴う08年のリーマン・ブラザーズ債やアイスラ ンドのカウプシング銀行債がある。

--取材協力:Daisuke Sakai.

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