債券で重要なのは一にも二にも流動性、意外な形で市場ゆがむ

最近の債券市場で重要視される言葉といえ ば、一にも二にも流動性だ。

世界の債券市場が過去数カ月に急落したことから、価格を不利な方 向に動かさずに取引できるかどうかが投資家の間で大きな懸念になって いる。その結果、流動性もしくは流動性の欠如が新たに意外な形で市場 をゆがめている。

例えばスペイン。格付け会社からイタリアよりも安全だと見なされ ているが、30年の借り入れコストはイタリアを上回る。なぜかといえ ば、イタリアの債券市場がスペインの債券市場の2倍の規模があるた め、流動性が高いからだ。

同じことが世界中で進行中で、フィンランドやシンガポール、カナ ダのような比較的小さく売買の少ない国債市場は人気を失い始めてい る。米連邦準備制度が利上げを準備しており、債券市場が不安定になる 場合に急いで売却できるかどうかを投資家は知りたがる。

ナティクシス・アセット・マネジメントの欧州金利責任者、オリビ エ・デラルジエール氏は「投資対象の国の選定で最優先の基準は流動性 だ」と話す。

流動性の枯渇懸念が増しているのは、4月の世界的な債券相場急落 で国債の価値が5000億ドル(約61兆円)余り失われ、1世代に1度と言 われるほどの相場変動が引き起こされたためだ。アバディーン・アセッ ト・マネジメントは既に、ファンド解約の可能性に備えて5億ドルの信 用枠を設定したことを明らかにしている。

スペインの10年債利回りは6月16日に2.54%となり、イタリア国債 とのスプレッドは2013年以来最高に達した。両国の利回りの関係が過去 1年の状態から逆転したのは、流動性低下による売買コストの上昇と関 係がある。スペイン10年債のビッド・アスク・スプレッドはイタリアの 2倍近いことがブルームバーグのデータに示されている。

このため、ナティクシスは「ソブリン・ユーロ・ファンド」でスペ インの長期債ではなくイタリアの長期債を保有する方に自信を持ってい ると、デラルジエール氏は説明した。同ファンドは過去1年間に同種の ファンドの93%よりも高いパフォーマンスだった。

原題:The 3 Words That Count in Bonds: Liquidity, Liquidity, Liquidity(抜粋)

--取材協力:Wes Goodman、Cecile Gutscher、Maria Tadeo、David Goodman.

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