6月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、ギリシャめぐる緊急会合控え

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが主要通貨に対して下げ た。22日にはギリシャのデフォルト(債務不履行)回避を目指した緊急 欧州サミットが開かれる。

円は上昇。週末に起こり得る事態を想定し、投資家は安全性が高い とされる円に買いを入れた。既存のギリシャ救済合意は6月30日で期限 を迎える。ユーロは週間ベースではなお、対ドルで3週連続高。米金融 当局が長期的な政策金利見通しを引き下げたことが影響した。

ドイツ銀行のストラテジスト、ダニエル・ブレホン氏(ニューヨー ク在勤)は「市場が直面する大型リスクが週末に現実とならないよう、 ある程度の安全逃避買いが見られる」と述べ、「ギリシャが債権者と合 意を成立させる確率のほうが、物別れに終わる可能性よりも高いだろ う」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.1%安の1ユ ーロ=1.1352ドル。週間ベースでは0.8%上げた。円は対ドルで前日 比0.2%上げて1ドル=122円71銭。週間では0.6%上昇。

ギリシャめぐる話し合い

欧州中央銀行(ECB)は19日の緊急電話会議で、ギリシャの銀行 向けの緊急流動性支援(ELA)の上限引き上げを決めた。事情に詳し い複数の関係者が述べた。また、ドイツのショイブレ財務相はギリシャ で新展開あればユーロ圏財務相が21日電話会議を行う可能性があると述 べた。

パイオニア・インベストメントの通貨戦略ディレクター、パレシ ュ・ウパダヤ氏(ボストン在勤)は、ギリシャのユーロ圏離脱は「最も あり得そうなシナリオであり、ベースシナリオになるべきだと私は考え るが、市場参加者はそうはみていないようだ」と述べた。その上で、 「ギリシャがユーロを離脱した場合のユーロの反応は、2-3年前と比 べると、それほど悲惨というわけではない」と続けた。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファン ドなど大口投機家によるユーロの売り越し(ネットショート)は16日ま での1週間に8万9357枚と、2014年7月以来の低水準となった。

ブルームバーグ相関加重指数によると、ユーロは年初来3.9%安と なっている。

原題:Euro Weakens Before Emergency Summit on Greek Financial Crisis(抜粋)

◎米国株:反落、S&P500最高値付近から下げる-銀行株安い

19日の米株式相場は反落。S&P500種株価指数は過去最高値に接 近した後に下げた。原油価格の軟化に伴いエネルギー株が売られたほ か、金融株は7年ぶり高値から下落した。

S&P500種の銀行株は2カ月ぶりの大幅な下げ。マラソン・オイ ルとシュルンベルジェも売り込まれた。食品メーカーのハーシーは10カ 月ぶり安値。通期利益見通しの引き下げが嫌気された。一方、コナグ ラ・フーズは最高値を更新。アクティビスト(物言う投資家)として知 られる米ヘッジファンド運営会社ジャナ・パートナーズが新たな持ち分 を開示した。

S&P500種株価指数は前日比0.5%安の2109.99。一時は最高値 に0.5%内まで近づいた。ダウ工業株30種平均は99.89ドル(0.6%)安 の18015.95ドル。ナスダック総合指数は0.3%下げた。相場は引け際数 分間に売りが加速した。この日は株価指数と個別株の先物とオプション 取引が期限を迎える四半期ごとのクアドルプル・ウィッチングだった。 通常、ボラティリティーや取引高が増える。

シマング・キャナル・トラスト(ニューヨーク州エルマイラ)の上 級投資責任者トム・ワース氏はこの日の下げについて、「簡単に言え ば、きのう上昇したことが理由だ」と指摘。「きょうはクアドルプル・ ウィッチングの日で、ポジションの手じまいが進んでおり、それが市場 のボラティリティを高めた可能性がある」と述べた。

FOMC

米連邦公開市場委員会(FOMC)は今週、利上げを急いでいない ことを示唆した。当局者らは成長回復の決定的な証拠をさらに期待して いる。

サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は19日、労働市場は完全 雇用を達成しつつあるとして年内に政策金利が引き上げられる可能性は 高いとの認識を示した。ただ低インフレは気がかりだと述べた。

S&P500種は週間ベースでは0.8%高。ギリシャと債権者との協議 は今週、対立したまま終ったが、米株式相場に大きな影響は及ぼしてい ない。ユーロ圏は22日にブリュッセルで緊急首脳会議を開き、ギリシャ 問題を協議する。

ジョーンズトレーディング・インスティチューショナル・サービシ ズのグローバル市場ストラテジスト、ユーセフ・アッバシ氏は、「現時 点では、ギリシャの影響を受けていない」と指摘。「ギリシャの状況は コントロールが効いており、何か起きても伝染することはないと欧州は 考えているようだ」と述べた。

S&P500種の業種別10指数中すべてが下落。公益や金融、エネル ギー株の下げがきつかった。金融株が値下がりしたのは、米10年債利回 りがほぼ3週間ぶり低水準をつけたことが一因。金融株は前日、2008年 5月以来の高値となっていた。

銀行やエネルギー株が安い

JPモルガン・チェースは1%安。バンク・オブ・アメリカ (BOA)やウェルズ・ファーゴも下落した。

エネルギー株は原油の軟化に伴い下落。シュルンベルジェやハリバ ートンが安い。

コナグラは11%急伸。同社はジャナ・パートナーズの標的となって いる。

原題:U.S. Stocks Slip From Near Records as Banks, Energy Shares Fall(抜粋)

◎米国債:反発、ギリシャ情勢の先行きを悲観し逃避需要

19日の米国債相場は3日ぶりに上昇。ギリシャの危機克服に懐疑的 な見方が根強く、安全な逃避先としての米国債に資金が集まった。一 方、債務交渉は合意に達しギリシャがユーロ圏にとどまるとの楽観か ら、欧州株と欧州の国債は上昇した。

米10年債利回りは約2週間ぶりの水準に低下した。来週のユーロ圏 緊急首脳会議を前に、欧州中央銀行(ECB)はギリシャの銀行向けの 緊急流動性支援(ELA)の上限引き上げを決めた。

クレディ・アグリコルの債券戦略責任者、デービッド・キーブル氏 は「現在、本当に安全な逃避先は米国債だけだ。ドイツ国債でさえ、交 渉決裂シナリオは最良とは言えない」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下し2.26%。一時は3日以来の低水準となった。同 年債価格(表面利率2.125%、償還期限2025年5月)は21/32上げて98 26/32。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「ギリシャに関する心配と不安が中心だ。週 末にかけて、それしかない。流動性は低下している」と述べた。

ギリシャ向けの現在の救済プログラムは30日に期限切れとなり、同 日は国際通貨基金(IMF)への支払い期限でもある。18日にはユーロ 圏財務相会合で交渉が決裂したが、チプラス首相は19日、危機を克服す ることができるとの見方を示した。

「厚みはない」

みずほセキュリティーズUSAの米国債トレーディング責任者、ジ ェームズ・コンビアス氏(ニューヨーク在勤)は「現在の市場に厚みは あまりない。きょうは金曜で、月曜には大きな会合がある。資本規制が 導入されるかどうか不透明だ。きょう大きなリスクをとる理由はない」 と述べた。

10年債利回りは週間で13bp低下。米国債相場は週間で2週連続で 上昇し、月初からの下げを縮小した。

CRTキャピタル・グループの政府債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は「友好的と言えるような妥結に至る可能性は低下してお り、それが米国債利回りを押し下げている」と述べた。

ブルームバーグ米国債指数によると、年初から18日までのリターン はマイナス0.23%。月初からではマイナス0.95%となっている。

原題:Treasuries Regain Haven Status as Europe Shrugs Off Greece Exit(抜粋)

◎NY金:週間で上昇-ETP通じた保有量は3日連続で増加

19日のニューヨーク金先物相場は週間ベースで1カ月ぶりの大幅高 となった。金連動型上場取引型金融商品(ETP)を通じた金保有量 は、18日までの時点で3日連続で増加した。3日連続増加は過去7週間 で最長。米利上げペースが緩やかなものになるとの見方が背景にある。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話取材に対し、「価格がさらに高くなれば、金 ファンドに戻ってくる投資家は増えるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.1%未満下げて1オンス=1201.90ドルで終了。週間で は1.9%高と、5月15日以来の大幅上昇となった。

銀先物7月限は0.3%安の16.109ドル。プラチナ先物7月限は0.4% 高の1086.80ドル。パラジウム先物9月限は1.6%下げて707.40ドル。

原題:Investors Boost Gold Holdings in Longest Stretch in Seven Weeks(抜粋)

◎NY原油:反落、ギリシャ決着付かず-供給超過も下押し圧力

19日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は反落。ギリシャと債権者機関の交渉で決着が つかず、来週に持ち越されたことを嫌気した。また供給超過が続くとの 見方も原油に売り圧力を加えた。

ESAIエナジー(マサチューセッツ州ウェイクフィールド)のマ ネジングプリンシパル、サラ・エマーソン氏は「60ドル近い価格なら市 場にとって問題はない」と指摘。「価格は上昇したが維持できなかった のは、供給超過だからだ」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比84セント(1.39%)安い1バレル=59.61ドルで終了。7月限は22日 に最終取引となる。週間では0.6%の下落。年初からは12%の値上が り。

原題:Oil Falls as Greek Standoff Continues Amid Global Supply Glut(抜粋)

◎欧州株:上昇、ギリシャ債務協議の決着近いとの楽観で

19日の欧州株式相場は上昇。ギリシャ債務をめぐる協議が決着に近 づいており、同国がユーロ圏を離脱してもその影響波及は封じ込められ るとの楽観が広がった。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.4%高の385.59で終了。一 時は1.2%高となった。前週末比では1%下げた。ギリシャのアテネ総 合指数はこの日、0.6%高で引けた。2.6%上昇する場面もあった。欧州 中央銀行(ECB)が緊急電話会議で、同国銀行向けの緊急流動性支援 (ELA)の上限引き上げを決めたことが手掛かり。西欧市場の主要株 価指数の中で、アイルランドとイタリアの株価指数の上げが目立ち、共 に1%強の値上がりとなった。

BNPパリバ・フォルティスの最高戦略責任者、フィリップ・ガイ ゼル氏は「何らかの決着に近づきつつあると誰もが認識している」と指 摘。「妥協がなければユーロ圏離脱かデフォルトになるかもしれない が、何らかの決着はある。多くの市場関係者は押し目買いを入れる用意 があり、実際のイベント発生前に買っている向きも多い。ギリシャはユ ーロ圏の小さな一部でしかない。債務はあるが管理可能だ。ECBのバ ズーカ砲もまだ控えている」と付け加えた。

ギリシャのチプラス首相はこの日、22日の緊急首脳会議で債権団と 合意することができるとの楽観的な見方を示した。

業種別19指数のうち15指数が上昇。旅行関連銘柄と銀行株はそれぞ れ約1%値上がりした。

個別銘柄では、英通信サービス会社コルト・グループが20%急伸。 仏自動車部品メーカーのバレオは4.2%上げた。一方、ポルトガルの BPI銀行は9.1%安となった。

原題:European Stocks Advance Amid Optimism Greek Resolution Is Close(抜粋)

◎欧州債:独債や周辺国債が上昇-ギリシャ危機波及しないとの観測

19日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。アイルランドやイタリア などの高利回りの国債も買われた。ギリシャ債務危機の影響がその他の ユーロ圏諸国に波及することがほとんど懸念されていない状況を示し た。

アイルランドとポルトガルの10年債は4日続伸し、スペインやイタ リアの国債も買われた。この日の朝方は周辺国の国債は下げていた。18 日のユーロ圏財務相会合(ユーログループ)はギリシャ問題をめぐる対 立が解けず、首脳らは22日に緊急サミットを招集することを余儀なくさ れた。

ラボバンクのシニア市場エコノミスト、エルウィン・デフロート氏 は「きつい言葉の応酬が続いているが、溝自体はそれほど大きくない」 とし、「土壇場まで待つ状況が続いている」と語った。

ロンドン時間午後4時41分現在、ドイツ10年債利利回りは前日比6 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.75%。今週は8b p下げた。18日には0.73%まで下げ、3日以来の低水準を付けた。同国 債(表面利率0.5%、2025年2月償還)価格はこの日、0.505上 げ97.66。

アイルランドとポルトガルの国債もプラス圏で終了。ギリシャのチ プラス首相はこの日、救済協議で合意できることを確信していると発 言、フランスのサパン財政相は18日に双方にとんでもない相違はないと 語っていた。

アイルランド10年債利回りは5bp下げ1.63%、12日以来では6b p低下。同年限のポルトガル国債利回りはこの日、7bp低下し3.04% となった。

原題:German Bonds Advance With Ireland Signaling No Greek Contagion(抜粋)

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