イエレン議長の見通し、12月利上げ支持の可能性示唆-関係者

米連邦準備制度理事会(FRB) のイエレン議長は、年末まで利上げを待ちたい「ディセンバリスト」か もしれないとの見方が投資家の間に浮上している。

来年よりも今年中の利上げ開始を望む当局者は依然15人と、来年の 初回利上げを望む2人を上回っている。一方、17日に公表された最新予 測によると、2015年の利上げ回数を1回もしくはゼロと予想した当局者 は7人と、3月時点の3人から増加していた。

年内に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)はあと4回。その うち9月と12月は記者会見も行われる会合となっているため、エコノミ ストは利上げの公算が大きい日程として注目している。

イエレン議長が17日に強調した内容を精査すると、米経済が障害を 乗り越えるためには持続的な勢いが必要だという考えが浮き彫りにな る。議長は米経済の前方にまだ障害物があると考えている。議長の発言 を検証してみよう。

1.個人消費の先行き不透明感

個人消費にはなお疑問が残る。議長は冒頭の発言で個人消費を支え るファンダメンタルズは「好ましいようだ」と述べたが、質疑応答では 多少の疑念も示した。議長は個人消費が「緩やかなペース」で伸びてい ると述べた上で、ガソリン価格の下落でも米国民が依然として財布のひ もを締め気味な理由について、まだ「判断がつかない」と語った。

バークレイズ・キャピタルの米国担当チーフエコノミスト、マイケ ル・ゲーペン氏は「エネルギーや貿易への重しを考慮すると、年内の利 上げが適切と信じるには消費の状況に自信を持つ必要がある」と指摘。 「判断がつかないという発言は、成長や労働市場の改善、短期金利の道 筋についての見通しに、議長がほとんど自信を持っていないと解釈され 得る」と分析した。

ゲーペン氏はさらに、「FOMCが景気の勢いの決定的証拠を強く 求めるなら、消費者にどんな変化が生じたのかという難問は9月までに 解明されない可能性がある。このため、議長発言は約3カ月後の利上げ という見通しには反するように思われる」と付け加えた。

2.労働市場に回復の余地

米国では長期間低下していた労働参加率は安定する初期の兆候を見 せつつあり、トレンドを上回るペースで雇用が伸びている。イエレン議 長は「労働市場の状況がさらに幾分か改善した」と述べた上で、「労働 市場にはいくつかの循環的な弱さ」があると指摘。参加率の低迷や賃金 の控えめな伸び、経済的理由でパートタイム職で働く労働者の割合の高 い点に言及し、「明らかに前進したが、一層の改善の余地は残されてい る」と付け加えた。

3.固い約束はできない

議長は記者の質問に対して、年内に利上げすると「固く約束するこ とはできない」と答え、「経済情勢が大方の当局者の予想通りに展開す れば、利上げは適切だと考える」と述べた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の米国担当シニアエコノミス ト、マイケル・ハンソン氏はこの発言について、年内の利上げが100% の確率ではないというメッセージだと指摘。「ハードルはかなり低い。 だが、予想外の下振れがあれば引き締めを先送りする可能性を議長発言 は示唆している」と述べた。

原題:Yellen’s Outlook Has Investors Asking If She’s a ‘Decemberist’(抜粋)

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