日銀総裁:円安、経済に悪影響大きくない-政策柔軟性にも

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日本銀行の黒田東彦総裁は19日の記者会見 で、これまで進んできた円安が「金融政策の柔軟性に何か障害を与える ことはない」との認識を示すとともに、「今の時点で円安になったら日 本経済に非常にマイナスであると言うこともできない」と語った。

黒田総裁は10日の衆院財務金融委員会で、実質実効為替レートで 「ここからさらに円安はありそうにない」と発言。これを受けて円高が 進行した。この点について会見で「このところの名目為替レートの水準 や先行きについて何か申し上げたわけではない」と指摘。実質実効レー トでは「名目レートの今後の動きを占うことはできない」と語った。

黒田総裁は「何より重要なことは、為替レートが経済のファンダメ ンタルズを反映して安定的に推移することが望ましい。そういうことで あれば、経済全体に悪い影響を及ぼすことがない、という考え方に変わ りはない」と述べた。

為替が経済に与える影響については「どんどん円高になればいいわ けでもなく、どんどん円安になればいいわけでもない。恐らくある程度 の幅の適切なところがあると思うが、それがどういうもので、どう動く かはなかなか難しい」と指摘。その上で、今の時点で円安になったら日 本経済に非常にマイナスであるということもできない」と語った。

金融政策と為替相場の関係については「これまで進んできた円安が 金融政策の柔軟性に何か障害と与えるということはない」と述べる一方 で、金融政策で為替相場に「影響を与えて、それで物価をうんぬんとい うことは全く考えていない」と述べた。

運営見直しは情報発信の一層の充実に

黒田総裁は「金融政策は物価の安定を目指すもので、為替レートの 水準や変動について何か目標にしているものではないし、そういったも のを動かすために金融政策をやっていることは全くない」と指摘。「金 融政策の違いが為替レートに影響を与え得るのは事実だが、他方で為替 レートの動きはさまざまな要因によって左右される」と語った。

日銀は同日の金融政策決定会合で、経済・物価情勢の展望(展望リ ポート)の公表を年4回に増やす一方、金融政策決定会合の開催を年8 回に減らすなど、金融政策決定会合の運営を見直すことを決定した。黒 田総裁はこれについて「金融政策に関する審議と情報発信の一層の充実 を図るために実施するものだ」と述べた。

--取材協力:池田祐美.

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