ドル上昇、ギリシャにらみ123円台前半-FOMC後の売り一服

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19日の東京外国為替市場では、ドルが大半の 主要通貨に対して上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)後のドル売 りが一服する中、緊迫化するギリシャ情勢などをにらみながらの展開と なった。

ドル・円相場は1ドル=123円ちょうどを挟んで一進一退の展開が 続いていたが、午後には全般的にドル買いが強まり、一時123円22銭ま で値を切り上げた。午後3時25分現在は123円11銭前後。前日の海外市 場では米国の利上げが緩やかなペースになるとの観測を背景に、一時10 日以来の水準となる122円48銭までドル安が進んでいた。

三井住友銀行市場営業部為替トレーディンググループの呉田真二グ ループ長は、国際通貨基金(IMF)への支払期限の6月末を前にし て、「いよいよギリシャ情勢が最終局面に入ってきた」とし、「さすが に相場のリスクとして無視できない状況に入ってきている」と指摘。 「最終的に何らかの合意を得られるとみるが、相場的には不透明感を嫌 気したリスク回避の動きが強まる」と語った。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.13ドル台後半でもみ合っていた が、午後には1.13ドル台前半まで軟化した。同時刻現在は1.1344ドル前 後。ユーロ・円相場も1ユーロ=140円付近から139円台半ばまで弱含ん だ。

ドル安の中でミックスな動き

FOMCは17日、景気加速を指摘し、年内に利上げを行う姿勢を維 持する一方、金利見通しを引き下げ、金融引き締めのペースは前回予測 よりも緩やかになるとの見通しも示した

ブルームバーグのデータによると、ドルは今週、主要16通貨中14通 貨に対して下落。MUFGユニオン・バンクのトレーダー、白井万雄氏 (ロサンゼルス在勤)は、「ドル全面安の中で、ギリシャに関する何か ニュースが出ると、良い話、悪い話で上下している」とし、「完全にド ル全面安ということでもなく、ミックスな動きになっている」と話して いた。

一方、日銀は19日の金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を8 対1の賛成多数で決めた。結果は予想通りで、市場の反応は限定的だっ た。

この後、午後3時半からは黒田東彦総裁の会見が行われる。JPモ ルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフFXストラテジストは、「為替 に関する発言が注目されるが、今週の参院で黒田総裁が発言していた内 容にとどまるだろう」と予想。「相場の方向性や水準に評価を与えるこ とはない」とし、市場への影響は限定的になるとの見方を示した。

黒田総裁は10日の衆院財務金融委員会で、実質実効為替レートで 「ここからさらに円安はありそうにない」と発言。16日の参院財政金融 委員会では同発言について、 「このところの名目為替レートについて の評価や予測として申し上げたわけではない」と説明した。

ギリシャ

ユーロ圏は22日にブリュッセルで緊急首脳会議を開き、ギリシャ問 題を協議する。18日の財務相会合では合意に至らなかった。ベルギーの ファンオフェルトフェルト財務相は記者団に、22日の主要会議の前に域 内各国の財務相らは緊急会合を開く可能性があると述べた。

一方、欧州中央銀行(ECB)はギリシャの銀行の流動性悪化につ いて協議するため、政策委員会による緊急の電話会議を開く。事情に詳 しい関係者3人が明らかにした。

ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は18 日の財務相会合後、ギリシャは「現在の状況では」ユーロ圏から離脱す る「方向に向かっている」と述べた。

MUFGユニオン・バンクの白井氏は、「取りあえずギリシャがど うなるのかを見てみようということで、投資家はサイドラインにいる人 たちが多い」と指摘。ユーロもドル・円も「いろいろな発言やニュース に振り回されながらで、方向感は出ないと思う」と話した。

--取材協力:大塚美佳、池田祐美、Daisuke Sakai.

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