「ガラス細工」の米経済、利上げの道筋緩やかに-FOMC予測

米連邦準備制度理事会(FRB)の当局者の 目には、米経済が激しく揺さぶればどこかが壊れてしまうようなガラス 細工と映っているのだろう。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が17日公表した最新の経済予測 の中央値では、引き続き年内2回の利上げ見通しが示されたものの、1 回の利上げで十分とするFOMC参加者が増え、2016年の追加の引き締 めも一段と緩やかに進めるべきだとの意見が増えた。

具体的には、15年中の利上げを1回と予想する参加者の数は今回5 人となり、3月の前回予測の1人から急増した。当局者は米経済が1- 3月(第1四半期)の落ち込みから好転したとしているが、イエレン FRB議長は持続的な回復の「決定的」な証拠をもっと見極めたいと発 言した。

元FRBエコノミストで、現在はジョンズ・ホプキンス大学教授の ジョナサン・ライト氏は「景気拡大の脆弱(ぜいじゃく)さに関して懸 念がある」と指摘。「今年前半の成長は極めて弱いと考えられる」と語 った。

JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケ ル・フェロリ氏は当局者について、「まだ自信を持てずにいる」とした 上で、「1-3月に国際的な要因が大きな衝撃となったのは確かで、世 界経済が加速しつつあるとは受け止められない」と述べた。

ドル押し上げリスク

最新の経済予測で、年内の利上げペースをより緩やかにすべきだと した参加者にとって、差し迫ったリスク要因となったのは金利とドルと の関係であると考えられる。世界的な低金利環境の下で、米国が急ピッ チで利上げを進めれば海外から米資産に資金が流れ込み、ドルを押し上 げる。

そうなれば米国製品の国際競争力低下と輸入拡大で経済成長が押し 下げられる。イエレン議長はドルが「大幅に上昇」し、経済への下押し 圧力は「しばらく続くだろう」と述べた。

プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ投資ストラテジスト (債券資産担当)、ロバート・ティップ氏は「金融当局がより早期に利 上げを開始すれば、ドル上昇を招かぬようにその分ペースを緩める必要 性が高まる公算が大きい」との見方を示した。

原題:Fed’s View of Fragile Economy Means Slow Path for Rate Increases(抜粋)

--取材協力:Steve Matthews、Jeanna Smialek、Matthew Boesler.

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