6月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル下落、FOMC予測で金利の長期見通し下方修正

17日のニューヨーク外国為替市場でドルが3週間ぶり安値に下落。 米金融当局が金利の長期的な見通しを引き下げたことが影響した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は景気判断を引き上げ、年内利 上げの軌道に変わりはないことを示唆した。FOMC参加者の予測で は、2016、17年のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標見通しが引 き下げられたため、ドル建て資産の投資妙味が損なわれる可能性があ る。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長はドル水準に目標は 定めていないと述べた上で、米国の輸出には向かい風になっていると指 摘した。

フランクリン・テンプルトン・インベストメンツの債券運用委員会 の共同委員長、マイケル・マテラッソ氏は「短期的にはドル買い一服と なりそうだ」と述べ、イエレン議長は「初回利上げのタイミングはそれ ほど重要ではなく、軌道や時間軸のほうが重要であることを示唆した」 と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット 指数は0.7%低下して1167.85と、5月18日以来の低水準。ドルは対ユー ロで0.8%下げて1ユーロ=1.1339ドル。対円ではほぼ変わらずの1ド ル=123円43銭。

FOMCの金利予測

FOMC参加者の予測(中央値)によると、2015年末のフェデラル ファンド (FF)金利誘導目標は前回予測と同じ水準。16年末のFF 金利予測は1.625%と、3月時の1.875%から下方修正された。

ブルームバーグがまとめたデータによると、先物動向からは9月の 初回利上げを見込む確率が46.5%となった。17日午後の早い時点で は49.8%だった。12月の初回利上げの確率は77%となっている。

シリコン・バレー・バンク(加州サンタクララ)の上級為替トレー ダー、ミン・トラン氏は「市場が一段と緩やかなペースでの利上げを見 込むのであれば、ドルにとって若干弱い材料になるだろう」と述べ、引 き締め方向が欧州中央銀行(ECB)とは異なるとして、「トレンドは 依然としてドルに有利だ」と続けた。

ストラテジストの見通しによるとドルは年内、上昇が見込まれてい る。ブルームバーグがまとめた予想中央値では、ドルは対ユーロで1ユ ーロ=1.05ドル、対円では1ドル=125円に上昇する見通し。

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)の債券調査 責任者、ジェニファー・ヴェイル氏は「ドルの上昇は過去6-8カ月間 のような強さになるとは考えていないが、見通しが明るいのは確かだ」 と述べた。

原題:Dollar Declines as Fed Lowers Projections for Benchmark Rate(抜粋)

◎米国株:主要指数が上昇、政策当局が緩やかなペースでの利上げ想定

17日の米株式相場は上昇。米金融当局が引き締めのペースは緩やか なものになるとの認識を示したことが手掛かり。米連邦準備制度理事会 (FRB)のイエレン議長は、経済成長のより確固たる証拠を望んでい ると説明した。

トリップアドバイザーは急伸。マリオット・インターナショナルと の提携発表が好感された。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) など生活必需品株も高い。ハーレーダビッドソンは、自社株買い計画の 拡大を受けて上昇した。一方でフェデックスは5カ月で最大の下げ。決 算で利益がアナリスト予想を下回った。

S&P500種株価指数は前日比0.2%高の2100.44。ダウ工業株30種 平均は31.26ドル(0.2%)上昇し17935.74ドル。

LPLファイナンシャル(ボストン)のチーフ経済ストラテジス ト、ジョン・カナリー氏は「2016年と17年の利上げの道筋は、より緩や かなものになりそうだ」とし、リスク資産にはプラスだろう」と続け た。

FOMCが発表した参加者の予測(中央値)によると、2015年末の フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は前回予測時から変わらなか ったが、16年末のFF金利は下方修正された。四半期ごとに発表される FOMC予測によると、15年末のFF金利は0.625%で3月時と同じ。 年内に2度、0.25ポイントの利上げを実施することが示唆された。

「ゴルディロックス経済」

雇用の伸び回復により、当局としては引き締めの開始時期を検討す る中で1-3月期の景気減速から先を見通す根拠が強まりつつある。同 時に、インフレ率は当局の目標を下回り続けており、政策当局者らは、 利上げ時期は経済データ次第との認識を示している。

直近の経済指標では小売売上高や賃金の伸びで改善が見られた。一 方で5月の住宅着工件数は前月比で減少。15日発表された製造業のデー タは期待外れな内容で、株価を押し下げた。

ナスダック・アドバイザリー・サービシズのマイルズ・クラウスト ン氏は「ゴルディロックス経済のような状況にあり、性急に大きく動く 必要はない」とし、「経済が多くの面で改善の兆しを見せつつあり、金 融当局には時間をかけて熟考する余裕がある」と述べた。

イエレン議長はFOMC声明発表後の記者会見で、ギリシャと債権 者は困難な決断を迫られているとし、合意できなかった場合、混乱の影 響は米国にも及ぶ可能性があると指摘した。

業種別指数

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は2.1%低下し14.50。前日は3.8%下げていた。

S&P500種の業種別10指数では8指数が上昇。公益や消費関連の 指数が最も上げた。

トリップアドバイザーは15%高と、4カ月で最大の上げ。同社はマ リオット・インターナショナルとの提携を発表。トリップアドバイザー のウェブサイトを通じてマリオットが展開するホテルの予約が可能にな る。

一方でフェデックスは3%下落。3-5月(第4 四半期)決算で 利益はアナリスト予想に届かなかった。ダウ輸送株平均は0.4%下げ た。

原題:U.S. Stocks Advance as Yellen Sees Gradual Interest-Rate Rise(抜粋)

◎米国債:2年債上昇、FOMC参加者が金利の長期予測引き下げ

17日の米国債市場では2年債相場が上昇。利回りは2週間ぶりの低 水準となった。連邦公開市場委員会(FOMC)は年内引き締め開始に 向けた軌道は変わっていないと示唆した一方、参加者らは政策金利の長 期予測を引き下げた。

先物市場の動向に基づくと、トレーダーらは9月利上げの見通しに 疑いを抱き始めている。2年債と30年債の利回り差はほぼ1カ月ぶりの 大幅拡大。金利上昇ペースの鈍化がインフレリスクを高めるとの懸念が 背景にある。

野村ホールディングスの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャルベ ス氏は「いずれにせよ今年後半の予想だ」と指摘。「9月にするか12月 にするかで決めかねている感じだ。利上げペースは一段と緩やかになる と示唆された。金利の変動幅は大きくならないだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、金融政策見通しに 対して比較的敏感に反応する2年債の利回りは、ニューヨーク時間午後 4時56分現在で前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下 げて0.65%。同年債(2017年5月償還)価格は2/32上げて99 30/32。

30年債利回りは6bp上昇の3.10%。10年債利回りは1bp高 い2.32%。一時は2.40%に上昇していた。

12月利上げの確率77%

ブルームバーグがまとめたデータによると、フェデラルファンド (FF)金利先物市場では9月利上げの確率が46.5%として織り込まれ ている。この日の午後の早い時間には49.8%だった。12月利上げの確率 は今、77%として織り込まれている。

パイオニア・インベストメンツ(ボストン)のバイスプレジデン ト、リチャード・シュランガー氏は「金利の進路は明確ではなく、経済 の動向次第にになるだろう」と述べた。

FOMC参加者らは今年末の金利予測は維持した一方で、2016年末 の予測を引き下げた。

四半期ごとに発表されるFOMC参加者の予測中央値によると、15 年末のFF金利は0.625%で3月時と同水準。年内に2度、0.25ポイン トの利上げを行うことが示唆されている。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券取引 責任者、ゲーリー・ポラック氏は「前回FOMCからさほど変化してい ない」と指摘。「年内利上げの方向は変わっていない。ドットによれば 今年2度の利上げがありそうだ。市場はその先の利上げペースについて 何らかの示唆が得られると期待していたが、そうはならなかった」と述 べた。

原題:Treasury Notes Rise After Fed Cuts Longer-Term Rate Forecasts(抜粋)

◎NY金:反発、FOMCが金利予測を引き下げ-利上げへの警戒後退

17日のニューヨーク金相場は米連邦公開市場委員会(FOMC)会 合後に反発。FOMCは年内利上げの可能性が高いものの、引き締めの ペースは漸進的になることを示唆した。

ETFセキュリティーズの調査担当ディレクター、マイケル・マク グローン氏は電話インタビューで、「市場はFOMCが利上げに関して もっとタカ派的なトーンになると見込んでいた」と指摘。「きょうの FOMCで金への圧力が一部取り除かれた」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後2時45分 現在、金直物相場は前日比0.5%高の1オンス=1188.18ドル。一時 は0.6%下落していた。

原題:Gold Rebounds as Fed Lowers Outlook for Interest-Rate Increases(抜粋)

◎NY原油:反落、製油所稼働率が低下-FOMC後は下げ渋る

ニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミディエ ート(WTI)先物が反落。米製油所稼働率が予想外に低下したことを 嫌気した。連邦公開市場委員会(FOMC)の声明を受けて利上げはゆ っくりとしたペースになるとの見方が広がり、原油は下げ渋る展開とな った。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は電話取材に対し、「相場が下げているのは 製油所稼働率とガソリンの統計が原因だ」と指摘。「製油所稼働率が上 昇し原油の需要が高まるとの期待から、相場はこれまで上昇してきた。 製油所稼働率がこの水準を続けるようであれば、原油在庫の減少幅は大 きく縮小するだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比5セント(0.08%)安い1バレル=59.92ドルで終了。一時は61.38ド ルまで上げた後、58.85ドルまで下げた。

原題:Oil Falls as U.S. Refinery Activity Slips, Curbing Fuel Demand(抜粋)

◎欧州株:下落、ギリシャ情勢を引き続き警戒-FOMCも注目

17日の欧州株式相場は下落。ギリシャの今後をめぐって議論が続く 中、米連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政策の将来的な引き締め で緩慢なペースを示唆するかどうかが注目されている。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.5%安の383.74で終了。一 時は0.8%安となった。ドイツ政府は30日までにギリシャとの合意がで きない場合に備えて緊急計画を策定しているとショイブレ財務相が議会 で説明したと、議員らが明らかにした。

ギリシャ株は一時の上げを消す展開で、アテネ総合指数は3.2%下 げて2012年9月以来の安値で引けた。チプラス首相はこの日、債権者側 が要求する救済条件について受け入れられないものであれば拒否しその 責任を負う用意があると表明した。

ペンタルファ・キャピタルで資産運用に携わるニコラ・マリネリ氏 (ロンドン在勤)は、「ギリシャ情勢は不透明で、状況はいつでも変わ り得る」と発言。「米経済は年初に比べ勢いがやや強まった。雇用市場 や成長に関するデータで大きな失望がない限り、米当局はスタンスを維 持して方針を貫く公算が大きい」とも述べた。

業種別指数では自動車関連銘柄が大きく下げ、フランスのフォルシ アは6.3%下落。一方、唯一上昇したのはエネルギー銘柄で、英タロー オイルは2.5%、スウェーデンのルンディン・ペトロリウムは2.7%それ ぞれ上げた。

原題:European Stocks Decline as Investors Watch Greek Crisis, Fed(抜粋)

◎欧州債:スペインと伊国債上昇-ギリシャ危機波及は限定的との見方

17日の欧州債市場ではスペインとイタリアの国債が上昇。債権者側 との交渉が決裂も同然のギリシャがデフォルト(債務不履行)に近づい ている脅威はあるものの、この影響が波及するリスクは限定的との見方 が広がっている。

スペイン10年債の同年限のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(ス プレッド)は2日連続で縮小。ギリシャのチプラス首相は債権者側を激 しく非難し、同国を窒息させようとしているとして欧州中央銀行 (ECB)を責めた。

スペイン10年債利回りは前日付けた10カ月ぶり高水準から低下。国 債購入プログラムなどECBの措置が奏功している状況を示した。米パ シフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、イタ リアとスペインの両国債に投資機会があると指摘。最近のスプレッド拡 大によって「魅力的」になったと説明した。

ロンドン&キャピタル・グループの投資ディレクター、アショク・ シャー氏はブルームバーグとのテレビインタビューで、「ボラティリテ ィはさらに大きくなる見込みで、株式と債券の両分野で値幅がさらに大 きくなるだろう」と発言。ECBの量的緩和(QE)については「相場 安定に非常に効き目のある力だ」と語った。

ロンドン時間午後4時27分現在、スペイン10年債利回りは前日比3 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.33%。前日は一 時2.54%と、昨年8月14日以来の高水準に達していた。同国債(表面利 率1.6%、2025年4月償還)価格はこの日、0.245上げ93.67。

ドイツ10年債に対するスプレッドは4bp縮小の152bp。16日は 日中に176bpまで拡大し、2014年5月以来の大きさとなっていた。12 年7月には650bpに膨らんでいた。

イタリア10年債利回りは2bp下げ2.31%。前日は昨年10月30日以 来の高水準となる2.46%まで上昇した。

一方、欧州債の指標とされるドイツ10年債はほぼ変わらずで、利回 りは1bp上昇の0.81%となった。

原題:Spanish Bonds Rising With Italy’s Show Greek Fallout Has Limits(抜粋)

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