ギリシャ資本統制に道開く流動性支援停止、ECBにジレンマ

欧州中央銀行(ECB)はルールに基づいて 運営される組織であるというドラギ総裁のマントラ(信条)が、ギリシ ャによってぎりぎりまで試されようとしている。

最大830億ユーロ(約11兆5000億円)の緊急流動性支援(ELA) を受けるために必要な支払い能力と担保の要件をギリシャの銀行が満た しているかどうかという点が、これまでになく差し迫った問題になりつ つある。ドラギ総裁は前向きな回答が当たり前だと決めつけることはで きないと今週警告した。

救済資金の供与を求めるギリシャ政府と債権者との交渉が行き詰ま りを打開できない状況は、国の資産保証が財務の健全性と連動する同国 の銀行にも暗い影を落とす。ECBが銀行からELAを奪えば、ギリシ ャを資本規制と政治的混乱に追い込むことになりかねない。ドラギ総裁 はそのようなジレンマに直面している。

JPモルガン・チェースのエコノミスト、マルコム・バー氏は「ギ リシャの銀行の閉鎖や資本規制の導入が不当に課されたものだとギリシ ャ当局は主張するかもしれない。政治的に明確な支持がない限り、 ECBは何も行えないのではないか」と指摘した。

今月末に期限を迎える国際通貨基金(IMF)向けの約15億4000万 ユーロの支払いをギリシャが履行できないとの見方に投資家は傾いてお り、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が示唆する同国のデ フォルト(債務不履行)確率は12日時点の79%から81%に上昇した。

ECBのデータによれば、ギリシャ4大銀行の2013年末時点の普通 株式等Tier1(CET1)資本のうち約42%を繰り延べ税金資産が 占めており、同国の銀行をめぐるリスクを浮き彫りにしている。

原題:Draghi’s Rules Tested by Greece as ECB Considers Bank Solvency(抜粋)

--取材協力:Corina Ruhe、Christos Ziotis.

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