米利上げ開始で勝つのは誰か-FOMC前に専門家が影響予測

米連邦準備制度理事会(FRB)では次の利 上げに向かって102年の歴史で最長の前奏音がなり響いている。これは 利上げの影響の一部が驚くに値しないという意味では必ずしもない。

ウェルズ・ファーゴ・プライベートバンクのエリック・デービッド ソン最高投資責任者(CIO)はゼロ金利解除が間近だと述べ、「大き な転換点になる」と予想する。

今週の連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の「引き上 げ開始」を少なくとも9月まで先送りする見通し。それに備えて、 FOMCが2006年以来となる利上げを実施した後に予想される勝者と敗 者、勝敗なく運勢が安定し続ける人々などを以下に挙げた。

勝者:ドル

RBCキャピタル・マーケッツで新興市場とグローバル外為戦略の 責任者を務めるダニエル・テネゴーザー氏は、ドルが利上げ後も上昇し 続けると予想する。他国の中央銀行は利下げや通貨供給量の拡大を進 め、自国通貨を押し下げている。

敗者:連邦政府財政

経済政策研究センター(CEPR)のエコノミスト、ディーン・ベ ーカー氏や議会予算局(CBO)の試算によれば、金利が段階的に上昇 した場合、米政府の利払いは向こう10年で最大2兆9000億ドル(約360 兆円)増える可能性がある。

勝敗なし:預金者

クロール・ボンド・レーティング・エージェンシーのシニア・マネ ジングディレクター、クリス・ウェーレン氏は事実上ゼロ金利だった過 去6年余りを「預金者から債務者への大規模な富の移転」と呼んでお り、こうした状況は続く公算が大きい。クレーン・データによれば、マ ネー・マーケット・ファンド(MMF)のリターンは金融危機前の07 年10月の4.79%からゼロに近い水準に落ち込んだ。預金者は最後に金利 上昇の恩恵を受けるだろう。

勝者:世界の株式

利上げに伴うドルの一段高で米国ではアジアや欧州の製品への需要 が高まるため、これらの地域の企業利益の押し上げにつながる。ベアリ ング・アセット・マネジメントで110億ドルの運用に携わるマシュー・ ウィットブレッド氏は米株式相場がまだ何とか上昇を続けると予想。銀 行は融資業務で利益を伸ばすことが可能になるため恩恵を受けようと指 摘した。

敗者:借り手企業

企業は過去数カ月間、利上げ前の最後の融資を確保し社債を発行し ようと躍起になっていた。これは自社株買いや配当の支払いを容易に し、投資家にとっての企業の魅力を高めてきたが、こうした状況は終わ りそうだと、ポータレス・パートナーズのアナリスト、チャールズ・ピ ーボディ氏は指摘。「リターン改善を求める大きな圧力が経営陣にかか っている。金利が上昇すれば問題になろう」と述べた。

勝敗なし:住宅ローン金利

米当局はいったん利上げした後、慎重に動く姿勢を示唆している。 このため、期間が長めの米国債利回りの上昇圧力が限られる可能性があ ると、バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの米金利戦略責 任者、プリヤ・ミスラ氏は予想する。そうなれば、住宅ローン金利の急 激な上昇は避けられる。

原題:When Federal Reserve Hikes Rate, Who Wins, Who Loses, Who Draws(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger、Craig Torres、Doni Bloomfield、Susanne Walker Barton、Sonali Basak、Noah Buhayar、Ye Xie、Michelle F. Davis、Liz Capo McCormick、Jody Shenn、Lisa Abramowicz、Matthew Boesler.

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