他国に干渉し始めた中国-従来方針見直しで在外の500万人守る

中国は海外で働く国民500万人や巨額の対外 投資を守るため、他国の内政には不干渉との方針を見直しつつある。

最近では中国石油天然ガス集団(CNPC)が油田投資を行ってい る南スーダンの国連平和維持活動に中国人兵士700人を派遣したほか、 混乱の続くイエメンには今年4月に海軍を派遣し中国人629人と外国 人279人を救出。中国人民解放軍が外国人救出を支援したのはこれが初 めてだ。

中国は1955年、当時の周恩来首相が他国の内政に干渉しない方針を 採用したが、それを堅持し続けることが一段と難しくなっている。中央 アジアやインド洋、中東、欧州を結ぶ地域のインフラ整備を進める「シ ルクロード」構想を習近平国家主席が打ち出す中で、中国の足跡は海外 に広がることになる。中国企業の海外投資は2013年に1080億ドル(現行 レートで約13兆3400億円)に達し、10年前の30億ドル足らずから急拡大 した。

中国は自国の権益と国民の安全を守るために、より積極的なアプロ ーチの必要に迫られており、海外で紛争に巻き込まれたり、米国と利害 が衝突するリスクが生じている。中国が南シナ海で進める岩礁埋め立て をめぐってはすでに緊張状態にある。

シドニー大学中国研究センターのケリー・ブラウン所長は「厳しく 長い道のりとなるだろう。新しい大国がルールブックを破棄し騒ぎを起 こすことで混乱が生じるのか、勢力拡大と同時により大きな責任を引き 受ける漸進的な移行となるのか、そのどちらかだ」と述べた。

中国の対外投資は02年から上向いた。当時の江沢民国家主席は他国 の内政には不干渉の立場をあらためて表明したものの、海外進出の方針 を支持した。

在外中国人は政府統計の5倍か

習主席は今月11日、11月に総選挙を控えたミャンマーの野党、国民 民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー党首と北京で会談。ア フガニスタン政府と反政府武装勢力「タリバン」の和平協議の場を中国 が提供したとの報道もある。

中国の国民と海外資産を保護する政策についての著書を共同執筆し たジョナス・パレロプレスナー、マシュー・デュシャテル両氏は調査や 当局者への取材を基に500万人の中国人が海外で働いていると推計して いる。中国商務省が示している数の約5倍だ。パレロプレスナー氏はワ シントンのデンマーク大使館に駐在する外交官。デュシャテル氏はスト ックホルム国際平和研究所の北京在勤上級研究員

原題:Five Million Reasons China May Be Drawn Into Conflicts (1) (抜粋)

--取材協力:Kamran Haider、Daniel Petrie.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE