6月16日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが対ドルで3日ぶりに下落、ギリシャが態度を硬化

16日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで3日ぶりに 下落。ギリシャが救済案を確保できるために残された時間は失われつつ あるとの懸念が強まった。

ユーロは主要通貨の大半に対して下落。ギリシャを苦境に陥れた 「犯罪の」責任は国際通貨基金(IMF)にあると、チプラス首相が非 難したことが嫌気された。ユーロは月間ベースでの上げ幅を縮小した。 ギリシャ問題の行方を左右する次の山場は、18日のユーロ圏財務相会合 となる。

みずほ銀行のストラテジスト、シリーン・ハラジュリ氏(ニューヨ ーク在勤)は「ギリシャ交渉の展開に対し、通貨市場は抑え気味に反応 している」と述べ、「市場では土壇場で合意がまとまるとの確信が強 い」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.3%下落して 1ユーロ=1.1246ドル。月間ベースでは2.4%高。対円では0.4%安の1 ユーロ=138円74銭。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=123円36銭。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は17日、連邦公開市 場委員会(FOMC)後に記者会見する。

ギリシャ情勢

ギリシャのチプラス首相は欧州中央銀行(ECB)についてもギリ シャを窒息させようとしていると責めた。チプラス首相の演説と同じこ ろ、ベルリンで会見していたドイツのメルケル首相は「残念ながら」新 しいニュースはほとんどないが、「ギリシャをユーロ圏内にとどめるよ う可能な限りを尽くす」と続けた。

ユーロ圏のギリシャ救済プログラムが失効する30日まで2週間を残 すばかりとなり、解決の期待は18日のユーロ圏財務相会合と25、26日の EU首脳会議にかかる。

ユーロは50日および100日移動平均を上回る水準で推移している。 域内のインフレ率が底を打ち、経済成長が加速しているとの楽観が背景 だった。

原題:Euro Falls for First Time in 3 Days as Greece Standoff Worsens(抜粋)

◎米国株:反発、FOMCは利上げ急がずとの観測-ギリシャ情勢で

16日の米株式相場は反発。ギリシャのユーロ加盟国としての将来に 不透明感が深まる中で、米金融当局は利上げを急がないとの観測が広が った。

エトナやユナイテッドヘルス・グループが高い。健康保険業界が再 編期に向かっているとの観測が広がった。生活必需品株ではモンスタ ー・ビバレッジが特に上げた。オラクルやアドビ・システムズも上昇。 一方でユナイテッド・レンタルズは下落。投資判断の下方修正が嫌気さ れた。このほか航空株は続落となった。

S&P500種株価指数は前日比0.6%高の2096.29。ダウ工業株30種 平均は113.31ドル(0.6%)上げて17904.48ドル。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「こ こ数日間に大きく売られたため、売られ過ぎの状態からの反動が見られ る」と分析。「ギリシャ情勢の行方は依然としてはっきりせず、しばら くこの状況が続くだろう。ただきょうのところは、ギリシャ情勢が投資 家の動きを抑えてはいないようだ」と述べた。

FOMC会合

米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日から2日間にわたり FOMCを開催。第1四半期にマイナス成長に陥った直後だけに、市場 では政策金利の据え置きが予想されている。

米商務省が発表した5月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換 算、以下同じ)は前月比11.1%減の104万戸。前月は117万戸に修正され た。4、5月合わせた着工件数は2007年11-12月以来で最も多かった。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト81人の5月の予想中央値は109 万戸だった。着工件数の先行指標となる住宅建設許可件数は、2007年8 月以来の高水準に増加した。

ギリシャは、デフォルト(債務不履行)回避に必要な救済資金を得 るために一段の譲歩をする考えはないことを示唆している。そうした中 で投資家は交渉の進展状況を知るための手掛かりを探している。ドイツ のメルケル首相は融和的なトーンを強め、「ギリシャをユーロ圏にとど めるためにできることは全てしたい」と述べた。

ギリシャ・リスク

LPLファイナンシャル(サンディエゴ)の市場ストラテジスト、 アンソニー・バレリ氏は「ギリシャ・リスクは数年前よりも低下してい ると、市場は正しく認識している」とし、「金融市場での混乱は全て限 定的だ。投資家はギリシャ問題について、世界の経済や金融市場への影 響よりも、ギリシャ自身への影響の方がずっと大きい孤立した出来事で あると正しく認識している」と述べた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は3.8%低下し14.81。前日は11週ぶり高水準に達していた。

S&P500種の業種別10指数は全て上昇。特に生活必需品株指数が 大きく上げた。

原題:U.S. Stocks Advance Amid Greek Talks as Fed Policy Makers Meet(抜粋)

◎米国債:続伸、ギリシャ協議の行き詰まりで逃避需要-FOMC開始

16日の米国債相場は続伸。ギリシャと債権者側機関の協議が行き詰 まり、安全な資産としての米国債の需要が高まった。米連邦公開市場委 員会(FOMC)定例会合がこの日から2日間の日程で始まった。

ギリシャが債務問題でこれ以上譲歩しない姿勢を示したため、米国 債はドイツ国債とともに上昇した。欧州の危機に加え、米国の経済指標 が強弱まちまちなため、FOMCの利上げに向けた舵取りは複雑になっ ている。JPモルガン・チェースによると、米国債の売り持ち高が減少 した。

野村ホールディングスのストラテジスト、スタンリー・サン氏は 「市場は17日のFOMC結果を待ちながら、欧州からのニュースに翻弄 (ほんろう)されている。FOMCは最終的には年内に動くための地な らしをするだろう」と語った。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の2.31%。同年債価格(表面利率2.125%、償還 期限2025年5月)は13/32上げて98 12/32。

ドイツ10年債利回りは3bp低下の0.80%。

モルガン・スタンレーの指数によれば、米金融当局は約5カ月半以 内に利上げに踏み切る見通し。

「できる限りハト派」

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの債券金利・信用責任者、 トーマス・ディガロマ氏は「市場ではギリシャ情勢への不安がやや高ま っている。良いニュースが全く出てこない。ギリシャの状況を考慮すれ ば、FOMCはできる限りハト派的になるだろう」と述べた。

5月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)が前月比11.1%減 少し、米国債は堅調を維持した。

JPモルガンが顧客を対象に調査した米国債投資家心理指数による と、15日までの1週間で売り越し(ネットショート)は22ポイントと、 前週の30ポイントから縮小した。売り持ち(ショート)は比率は38% と、前週の39%から低下した一方、買い持ち(ロング)は前週の9%か ら16%に上昇した。

中立は46%と、前週の52%から低下し、昨年9月以来の低水準とな った。

「今ほのめかし始めないと」

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は「米当局は利上げを今ほのめかし始めないと、1年以内 にやってのけるのは難しくなる」と話した。

ブルームバーグ世界国債指数によれば、米国債は今四半期に2.1% 下落しており、このままで終えれば2年ぶりの大幅な下げとなる。

国債の売り局面では利回りが上昇し、魅力が増す。米国債利回りは 欧州債に比べて格段に高い。米10年債利回りはドイツ債を約151bp上 回っている。

原題:Treasuries Gain as Fed Policy Meeting Begins Amid Greek Gridlock(抜粋)

◎NY金:反落、ドル上昇で売り-ボラティリティは低下

16日のニューヨーク金先物相場は反落。ドルの動きに左右される展 開が続いた。ギリシャの財政混乱でドルは対ユーロで上昇した。金とブ ルームバーグ・ドル・スポット指数の逆相関は昨年12月以降で最も強く なっている。

オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州タンパ)の創業 者、ジェームズ・コーディアー氏は電話インタビューで、「ギリシャに 何が起きているのか分からない。ユーロに起きていることも分からな い。ドルに起きていることが支配しており、金はそれに左右されて動い ているようだ」と指摘。「ユーロ圏に関する一段の情報が得られるま で、金市場はドルと背中合わせで動くだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.4%安の1オンス=1180.90ドルで終了。ブルームバーグ のデータによれば、金のボラティリティ(60日ベース)は昨年11月以来 の低水準となった。

銀先物7月限は0.7%下げて15.965ドル。プラチナ先物7月限 は0.8%下落の1079.80ドル。パラジウム先物9月限は0.2%安の732.80 ドル。

原題:Gold Falls as Dollar Dominates Metal Markets; Volatility Drops(抜粋)

◎NY原油:4営業日ぶりに上昇、米統計控え在庫減少に期待

16日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が反発。米国の在庫が減少を続けるとの観測 から供給超過が解消に向かうとの期待が高まり、4営業日ぶりに上昇し た。

タイチ・キャピタル・アドバイザーズ(ニューヨーク)の商品ファ ンドマネジャー、タリク・ザヒル氏は「17日発表の統計で在庫がまた減 少したことが明らかになるだろう」と予想。「それでも供給はなお大量 にある」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比45セント(0.76%)高い1バレル=59.97ドルで終了。

原題:Oil Rebounds After Three-Day Drop as U.S. Inventories Seen Lower(抜粋)

◎欧州株:3日ぶり上昇、ドイツ株が買われる-ギリシャは値下がり

16日の欧州株式相場は反発。指標のストックス欧州600指数は前 日、4月以降で最悪の2営業日続落となっていた。この日はドイツ株の 上げが目立った。一方、債務協議が行き詰まったままのギリシャの株式 は売られた。

ストックス600指数は前日比0.6%高の385.49で終了。一時は1.1% 下げたものの、欧州委員会がギリシャが新たな提案を示せば交渉を再開 すると表明し、これを手掛かりに反発した。独DAX指数も反発 し0.5%高。ユーロ安を背景に輸出銘柄が買われた。スペインとポルト ガルの株価指数は一時1.5%を超える大幅安となったが、下げを埋めて プラス圏で取引を終えた。

ランプ・アセット・マネジメント(デュッセルドルフ)で約70億ド ル相当の資産運用に携わるミヒャエル・ボイシュネック氏は、「全体像 を不鮮明にする要因に気をそらされず、改善しつつあるファンダメンタ ルズに市場参加者が再び注目するようになれば株式相場は回復するだろ う」と指摘。「とりわけスペインとアイルランド、ポルトガルは、ギリ シャからのいかなる影響も封じ込めることができる」と語った。

ギリシャのアテネ総合指数は3日続落で、この日は4.8%下げた。 3日間の下落率は、チプラス首相率いる急進左派連合(SYRIZA) が政権を握った1月以降で最大。同国のデフォルト(債務不履行)回避 とユーロ圏残留を目指した週末の交渉は決裂し、次の焦点は18日のユー ロ圏財務相会合(ユーログループ)に移った。

個別銘柄では英ブックメーカーのラドブロークスが4.4%上昇。フ ランス・オランダ系航空会社のエールフランス・KLMグループ は3.4%下げた。

原題:European Stocks Rise First Time in Three Days; Greek Shares Fall(抜粋)

◎欧州債:スペイン債反発、値動き激しく利回り一時10カ月ぶり高水準

16日の欧州債市場ではスペイン10年債が反発。利回りは一時2.5% を突破し、昨年8月以来の高水準に達したが、その後は低下に転じた。 ギリシャの混乱が周辺国債に及ぼす影響の判断に市場参加者が苦戦する 状況を反映する値動きとなった。

欧州債の指標とされるドイツ国債は続伸。ギリシャのチプラス首相 が債権団との対立で譲歩する気配を一切見せない姿勢を鮮明にしたこと から、域内で最も安全とされるドイツ国債の需要が高まった。

ウニクレディト(ミラノ)のシニア債券ストラテジスト、ルカ・カ ツラーニ氏は「周辺国債の取引は、ギリシャと交渉の先行きへの懸念の 高まりに完全に左右されている」と発言。値動きの大きさは「単純に、 市場でいかに不透明感が高いかを反映している」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時15分現在、スペイン10年債利回りは前日比10 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.32%。一時 は2.54%と、昨年8月14日以来の高水準に達した。同国債(表面利 率1.6%、2025年4月償還)価格は0.795上げ93.755。

ドイツ10年債利回りは2bp低下し0.81%。前日までの3営業日 で16bp下げている。

原題:Spanish Yields Drop From 10-Month High as Greece Roils Markets(抜粋)

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