日本株続落、ギリシャや貿易統計重し-FOMC待ち手控えも

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17日の東京株式相場は続落。ギリシャ情勢の 不透明感や日本の貿易統計に対する失望が重しとなり、連邦公開市場委 員会(FOMC)での米国金融政策の方向性を見極めようと買いが入り にくかった。輸送用機器など輸出関連株が軟調、鉄鋼や不動産、銀行、 陸運株も安い。

TOPIXの終値は前日比6.16ポイント(0.4%)安の1633.70、日 経平均株価は38円67銭(0.2%)安の2万219円27銭。

セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「貿易 統計では輸出が思ったほど伸びず、円安による実体経済の好循環シナリ オに確信が持てない内容だった」と言う。また、FOMCを受けて「為 替と株式市場がどちらに反応するか分からず、ギリシャのデフォルトは 実際に起きたときに何が起こるか想像がつかない」とも話した。

ギリシャのチプラス首相は16日、同国を苦境に追い込んだ犯罪の責 任は国際通貨基金(IMF)にあると非難、欧州中央銀行(ECB)に ついてもギリシャを窒息させようとしていると責め、債権者側機関と真 っ向から対決する姿勢を見せた。18日のユーロ圏財務相会合での交渉進 展がない限り、ECB内のタカ派はギリシャの銀行に対する緊急流動性 支援(ELA)の厳格な運用を強く求め始める可能性がある。

楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは、 「ギリシャの先行きに対するシナリオが描けず、動けない。ギリシャと 債権者との話し合いがあまりにも平行線をたどっており、今回先延ばし しても、合意に至るとは思えない」と指摘した。

貿易数量指数減る、訪日外客数の増勢は続く

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は16-17日の日程で FOMCを開催。利上げ時期をめぐり、イエレン議長の関連発言がある かどうかに市場参加者は注目している。FOMCのほか、ギリシャ問題 を討議するユーロ圏財務相会合、18-19日には日本銀行の金融政策決定 会合も控える。「4-5月は、海外情勢で動きにくいときは日銀会合期 待の値動きになることが多かったが、今回は先週の黒田総裁発言の影響 でそうした動きもない」と、楽天経研の土信田氏はみていた。

このほか、財務省が取引開始前に発表した日本の5月の貿易統計に よると、輸出は前年同月比2.4%増と9カ月連続で増加したものの、数 量指数は3.8%減と3カ月ぶりに減った。

ただ、日経平均は午後の取引半ばに一時131円安の2万126円まであ ったが、大引けにかけ下げ渋り。SMBC日興証券投資情報部の西広市 部長は、FOMCの結果を受け市場では安心感が高まる可能性が高いと みており、あす以降は「日本の景気回復や業績改善を評価して相場に力 強さが出てくる」と予想する。

午後には、東証1部の社外取締役選任企業の比率が前年比18ポイン ト増の92%になったとの材料に加え、5月の訪日外客数が前年同月 比50%増の164万人と、4月の176万人に次ぐ月間で過去2番目の高水準 だったことも明らかになった。訪日外客数について、セゾン投信の瀬下 氏は「円安で思ってもみない効果。貿易統計は失望だったが、これは良 いニュース」としている。

東証1部の業種別33指数は鉄鋼、倉庫・運輸、電気・ガス、海運、 不動産、陸運、輸送用機器など28業種が下落。精密機器や小売、食料 品、石油・石炭製品、証券・商品先物取引の5業種は上昇。東証1部の 売買高は18億8798万株、売買代金は2兆1818億円。上昇銘柄数は791、 下落は956。売買高は3日連続で20億株を下回った。

売買代金上位では東京電力や三井住友フィナンシャルグループ、ソ ニー、任天堂、スクウェア・エニックス・ホールディングス、スズキが 安い。クレディ・スイス証券が目標株価を上げたJT、野村証券が投資 判断を上げたNTNのほか、良品計画は高い。

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