ギリシャ首相の債権者批判にも独首相は冷静-「解決に全力」

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欧州の政策決定者がギリシャ問題への対応に 窮する中、同国のチプラス首相は国際通貨基金(IMF)と欧州中央銀 行(ECB)を激しく非難した。メルケル独首相は挑発には乗らず冷静 を保ち、ギリシャをユーロ圏に残留させるために全力を尽くす考えを示 した。

米当局者も懸念を強めており、ルー財務長官は電話でチプラス首相 に対し妥協点を見いだすことに真剣になるよう求めた。解決の期限が迫 る中、ここ数日の双方の対立は市場を揺さぶっており、ギリシャのデフ ォルト(債務不履行)が目前に迫っているのかどうかをめぐる困惑が広 がっている。

メルケル首相はベルリンで記者団に対し、「残念ながら」進展はほ とんどなく、ルクセンブルクで開く財務相会合に打開を期待していると 発言。欧州委員会とECB、IMFの「3機関が解決策を見いだすのを 後押しすることに全てのエネルギーを注いでいる」と語った。メルケル 首相の落ち着いた口調は、チプラス首相がどれだけ抗議しようとも結局 は解決に至る可能性もあることを示している。

ギリシャ問題はユーロ圏の分裂を回避する取り組みを危険にさらし ている。ギリシャはユーロ圏の救済プログラムが失効する今月30日まで に合意をまとめるか、プログラムを延長してもらう必要がある。そうし なければ、約3130億ユーロ(約43兆4000億円)の債務を抱える同国は支 払いを行えなくなる。

チプラス首相は議会で、同国を苦境に陥れた「犯罪の責任は」 IMFにあると述べ、ECBが「金融で窒息させる」ような戦術を使っ ていると批判した。

預金流出続く

緊縮策を終わらせることを公約に掲げて1月に政権の座に着いたチ プラス首相は国内では挑発的な言葉遣いが多く、6月5日には債権者側 が出す融資実行のための提案について「不合理で脅迫するような要求 だ」と批判。こうした発言はギリシャ政府がIMFとECB、欧州委か ら成る債権者との溝を早急に埋める機会を危うくしている。今後の焦点 は18日のユーロ圏財務相会合と25、26日のEU首脳会議に移る。

ユンケル欧州委員長は16日、ギリシャ政府との14日夜の交渉が「進 展せず」45分で決裂して以来、連絡を取っていないことを明らかにし た。同委員長はブリュッセルで記者団に対し、ギリシャ政府が国民に伝 えていることは「私がギリシャ首相に伝えたことと一致していない」と 語った。

ギリシャ政府は支払不能に陥るのを避けるため新たな案を提示する よう求められたが、次の行動を取るのは債権者の方だと突っぱねた。

ギリシャの銀行からの預金流出は続いており、事情に詳しい関係者 2人によれば、今月の流出額は約20億ユーロに達している。

原題:Europe Struggles Toward Solution as Tsipras Rips Into Creditors(抜粋)

--取材協力:Rainer Buergin、Tony Czuczka、Nikos Chrysoloras、Rebecca Christie、James G. Neuger.

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