牛ヒレステーキに見る石油都市ヒューストンの現状-原油安で

米ヒューストンは30年前、厳しい状況に見舞 われていた。そこで、レストラン「シンク」を運営するスティーブ・ジ マーマン氏は、下落する原油相場に価格が連動した3品から成るランチ コース「オイル・バレル・スペシャル」を提供することにした。

原油が再び急落した今年1月、ジマーマン氏はこのスペシャルコー スを復活させた。しかし、注文する人はあまり多くなく週に約10人ほど だ。かつては割安なフィレミニヨン(牛ヒレステーキ)を味わう機会を 求めて1日に70人が列を作っていた。一部が世界のエネルギー拠点とし て知られるヒューストンは、今回の原油急落局面を難なく乗り切ってい る。

「1980年代には大きな危機に直面していた。今回は一時的な急落 だ」。ラ・コロンブ・ドール・ホテルのオーナーを35年にわたって務め るジマーマン氏はそう語る。スペシャルメニューは現在、ディナーコー スの一つとなっている。

米国4位の都市であるヒューストンは、80年代に4カ月で67%とい う原油価格急落の打撃を受けた。銀行の破綻が相次ぎショッピングモー ルも閑散としたほか、資産の差し押さえが急増した。同市の税収は落ち 込み、清掃作業員数十人が解雇されストが発生。ごみ収集が完全に停止 する事態となった。

ヒューストン大学の分析によれば、80年代当時、主要な雇用の87% が石油・ガス業界関連だったが、2010年時点では半数未満となった。ヒ ューストン市のパーカー市長は最近の講演で、14年から15年にかけて原 油価格が59%下落したことについて「道路のくぼみにすぎない」と語っ た。

ヒューストンには現在もコノコフィリップスやハリバートンなど石 油・ガス関連企業が拠点を置き、米国最大の石油化学地帯はヒュースト ン水路周辺にある。しかし、原油価格急落後の空洞を埋めるため新事業 が生まれ、景気回復に伴って経済も変化した。

同市ではエンジニアリングやテクノロジー、保険分野の雇用が伸び ている。21の病院と3つの医科大学など59機関から成るテキサス・メデ ィカル・センターでは10万人余りが勤務している。

原題:Houston’s Filet Mignon Special Shows Oil Slump Is No Problem (1)(抜粋)

--取材協力:Dan Murtaugh.

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