円が下落、黒田総裁発言受けやや売り優勢-対ドルで123円後半

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東京外国為替市場では円が下落し、対ドルで は1ドル=123円台後半に水準を切り下げた。日本銀行の黒田東彦総裁 の参院財政金融委員会での発言を受けて、やや円売り圧力がかかった。

16日午後3時20分現在のドル・円相場は123円63銭付近。円は黒田 総裁の発言前に123円31銭を付けた後、一時123円80銭まで値を下げた。 対ユーロでは一時1ユーロ=139円48銭と、3営業日ぶりの安値を付 け、同時刻現在は139円30銭付近で推移している。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの山田修輔チーフ FXストラテジストは、黒田総裁の発言について、「円高に持っていき たいわけではないというメッセージは非常にクリア」だとし、市場は円 安に反応したと説明。一方で、「日銀が断続的な円安を望んでいるとい う前提に基づいた円売りへのけん制といった根本的なところは撤回して いない」と言い、「失われたモメンタムを取り戻すような発言ではな い」としている。

黒田総裁は16日の参院財政金融委員会で、為替相場を動かした10日 の国会での発言について聞かれ、「このところの名目為替レートについ ての評価や予測として申し上げたわけではない」と述べるとともに、実 質実効為替レートは「金融政策に非常に深い意味はない」と語った。

黒田総裁は10日の衆院財務金融委員会の答弁で、実質実効レートで は「ここからさらに円安に振れていくことはありそうにない」との認識 を表明。これを受けて、ドル・円相場は同日に一時122円46銭と、5 月26日以来の水準まで円高が進んでいた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの平野淳外国為替営業部 長は、「海外勢が先週の発言の重要性を意識していたこともあり、ロン ドン勢参入以降、ドル・円は124円半ば程度まで上値が伸びる可能性は あるだろう」と指摘。「ドル・円は先週122円台まで下落したことで調 整はしっかり終わった印象で、徐々に買い手も水準を上げてくるのでは ないか」とみている。

FOMCを見極め

米連邦準備制度理事会(FRB)は16、17日に連邦公開市場委員会 (FOMC)を開く。今回の会合では政策金利のフェデラルファンド (FF)金利誘導目標は据え置かれる見通しで、市場では「ドット (点)」で示されるFOMCメンバーのFF金利予想が焦点になってい る。

ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジス ト(ロンドン在勤)は、「9月と12月の会合で利上げできるのかどうか を占う上では、ドットの修正動向などに注目せざるを得ない」と指摘。 先行きについては、景気とドットの下方修正が見込まれるとしながら も、「9月の利上げの可能性が残されるということであれば、ドルはし っかりしやすい」とみる。

--取材協力:Daisuke Sakai.

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