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日本株下落、ギリシャと米鉱工業嫌気し輸出や金融、海運安い

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16日の東京株式相場は下落。ギリシャ情勢の 不透明感を背景にしたリスク回避の流れや米国鉱工業生産の低下が嫌気 され、機械や精密機器など輸出関連株、銀行など金融株中心に下げた。 アナリストの弱気判断を受け、海運やパルプ・紙株も安い。

TOPIXの終値は前日比12.06ポイント(0.7%)安の1639.86と 4営業日ぶりに反落、日経平均株価は129円85銭(0.6%)安の2万257 円94銭と続落した。

ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄ファンドマネージャー は、「日本株は当面の業績回復期待を織り込んで高い位置にあり、国内 での第3弾の追加緩和期待も乏しい」と指摘。ギリシャがデフォルトし た場合の日本企業への直接的な影響は少ないが、「海外でのリスクオフ の流れを引き継いで市場心理に影響しやすい」とみていた。

ギリシャ政府と債権者側の交渉が14日に決裂したことを受け、15日 のストックス欧州600指数は1.6%安、ギリシャのアテネ総合指数 は4.7%と大きく下げた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、ギ リシャ救済をめぐる交渉の行き詰まりを打開する責任は同国政府にある との見解を示し、チプラス政権に圧力をかけた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラ テジストは、「報道ではギリシャは新たな提案を出さないもようで、ユ ーロは最後通告を出すと言っている。海外情勢をみれば、リスクを意識 し、売りたい投資家は多い」と言う。海外投資家の恐怖心理を示すシカ ゴ・ボラティリティ指数(VIX)は15日に12%上昇。きょうのアジア 株市場では中国上海や香港、台湾などが下げ、シカゴ24時間電子取引シ ステム(GLOBEX)では米S&P500種先物が軟調だった。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が15日に発表した鉱工業生 産指数は前月比で0.2%低下、市場予想は0.2%の上昇だった。前月の鉱 工業生産は0.5%低下と、速報値の0.3%低下から下方修正された。 SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、 「原油価格が上がってくれば、設備投資は増えるが、1バレル=60ドル 近辺で横ばい推移し、稼働掘削リグ数が減っている中ではエネルギー産 業は弱い」と指摘している。

為替に荒さ、連日で20億株割れ

この日の為替市場では、午前10時30分すぎに一時1ユーロ=139円 2銭、1ドル=123円31銭まで円が強含んだ。その後は139円40銭 台、123円80銭まで戻す場面もあるなど荒い値動き。日本銀行の黒田東 彦総裁は16日午前の参院財政金融委員会で、国会での10日の発言につい て聞かれ、「このところの名目レートの評価、予測を言ってない」など と述べた。ドルトンの松本氏は、「真意は読みにくいが、前回の発言は 目的があったと思うため、1ドル=125円を超えての円安は市場に容認 されにくいだろう」とみている。

FRBは16-17日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)を開 き、ギリシャ救済交渉の次のヤマ場は18日のユーロ圏財務相会合とな る。18-19日には日本銀行の金融政策決定会合も控え、重要イベントを 前にきょうも積極的な買いは入りにくかった。東証1部の売買高は19 億9441万株と連日で20億株割れ。売買代金は2兆2639億円。上昇銘柄数 は405、下落は1369。

東証1部33業種は銀行、海運、鉄鋼、パルプ・紙、機械、保険な ど29業種が下落。海運は、メリルリンチ日本証券が市況回復は見込めな いなどとし、大手3社の投資判断を「中立」から「アンダーパフォー ム」に下げた。紙パは、SMBC日興証券が緩慢な印刷用紙需給などを 要因に、セクター判断を「中立」から「弱気」に見直した。電気・ガ ス、食料品、ガラス・土石製品、空運の4業種は上昇。

売買代金上位では三井住友フィナンシャルグループ、三井住友トラ スト・ホールディングスの下げが目立ち、オリックスや楽天、新日鉄住 金、商船三井、クボタ、SMCも安い。半面、「ファイナルファンタジ ー7」リメイクをPS4に提供するスクウェア・エニックス・ホールデ ィングス、野村証券が中期営業利益目標の前倒し達成の可能性を指摘し た三井化学は高く、東京電力や日東電工、味の素も買われた。

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