陰の立役者が悪役になるリスク-米株強気相場めぐる金利水準

米株式市場の6年に及ぶ強気相場の陰の立役 者である金利が、悪役に転じるリスクが表面化している。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、記録的な低金利に伴 い、S&P500種株価指数構成企業のここ1年での債務返済費用は売上 高の3.5%相当と、過去最低となっている。この比率が2007年の7.4%か ら低下したことで、3100億ドル(約38兆3000億円)の節約につながると ともに、利益倍増と株価を3倍の水準に押し上げることに寄与した。

今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、イエレン連邦準備制 度理事会(FRB)議長が年内の利上げ開始との見方を強めるとの懸念 が広がっている。FOMCの金融引き締め開始後、低金利が長く続くこ とはこれまでめったになかった。アナリストらはすでに15年の企業利益 の伸び率が2%に届かないと予想している。

アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、 デービッド・ジョイ氏(ボストン在勤)は「企業の利益率が歴史的高水 準に近いのが若干心配だ。ウォール街のアナリストらは全般的に利益率 の改善が続くと想定している」と指摘。利上げは「そうした予想を一段 と難しいものにする」と述べた。

先物取引では、FOMCがフェデラルファンド(FF)金利の誘導 目標を「ゼロから0.25%」という08年終盤から続く水準から今年9月に 引き上げ始めるとの予想が織り込まれている。ブルームバーグが50人余 りのエコノミストを対象にまとめた調査の中央値では、FF金利は来 年、少なくとも1.5%に達すると想定されている。

ブルームバーグがまとめたデータによると、売上高に対する債務返 済費用の比率は過去3回の利上げ局面開始後で平均0.4ポイント上 昇。04年には6月にFOMCが引き締めを始めると、S&P500種は2 カ月間で一時7.1%下げ、その年最大の落ち込みとなった。

心配は時間の無駄

一方、ボヤ・インベストメント・マネジメントのチーフ市場ストラ テジスト、ダグラス・コート氏(ニューヨーク在勤)は、数年にわたり 企業が低金利の恩恵にあずかり、経済の勢いを増そうとしている今、そ うした懸念は時間の無駄だと指摘する。

同氏は「FOMCの25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) もしくは50bpの利上げが何かを変えるだろうか。私ならノーと答え る。きっぱりノーだ。利益率の伸びは、それに着目したからといって投 資家に本当にプラスをもたらすものではない。私は企業利益全体にもっ と注目している」と述べた。

ブルームバーグとS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスがまとめ たデータによれば、S&P500種構成企業の1株利益は14年に102.31ド ルに達した。5年前は50.97ドルだった。

原題:Hidden Hero of Stock Bull Market No Match for Fed’s Higher Rates(抜粋)

--取材協力:Sridhar Natarajan.

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