クリアランスセールは身内で-処分売り回避でPIMCOが知恵

米パシフィック・インベストメント・マネジ メント(PIMCO)の「トータル・リターン・ボンド・ファンド」が 過去に経験のない多額の解約要請に応じるため、保有する資産の処分売 りに動かざるを得ないとウォール街のトレーダーらは予想していた。ビ ル・グロース氏が、世界最大の債券ファンドだったトータル・リターン の運用担当者を辞めた昨年9月のことだ。

しかし、それは実際には起きなかった。なぜだろうか。PIMCO の監督当局への先月の届け出によると、どうやら「クリアランスセー ル」が身内で行われたという説明ができそうだ。グロース氏の突然の退 職後に1000億ドル(約12兆3500億円)を上回る資金の引き出しに対応す るため、昨年10月から今年3月までの間にトータル・リターンの資産 約180億ドル相当がPIMCOの他のファンドや口座に売却された。

世界有数の債券ファンド運営会社であるPIMCO(運用資産額約 1兆6000億ドル)は、同じ企業ファミリーのファンド同士の資産売買を 限られた条件の下で可能にする1940年投資会社法の規定を利用した。そ のようなクロス取引は利益相反が生じる恐れがあるため厳しく規制され ているが、買い手と売り手の両方に利益がある場合に限り認められる。

監督当局への届け出では、当事者間の取引を通じて売却された証券 の種類やPIMCOのどのファンドが関与したかは開示されていない が、PIMCOが昨年10-12月(第4四半期)に売却した同じ証券を同 社のあるファンドが購入していた事実が示されている。

PIMCOのウェブサイトに掲載された持ち高報告によれば、トー タル・リターンは2021年7月満期インフレ連動債(TIPS、表面利 率0.625%)約38億ドル相当、 25年1月満期のTIPS(表面利 率2.375%)約16億ドル相当を売却。一方、ダニエル・アイバシン氏が 運用を担当する「PIMCOインカム・ファンド」は21年満期の TIPS(額面価格5億2700万ドル)と25年満期のTIPS(同9 億8400万ドル)を昨年10-12月に購入していた。

PIMCOの広報担当アグネス・クレイン氏は、コメントを控えて いる。

原題:Pimco Funds Bought Assets From Total Return After Gross’s Exit(抜粋)

--取材協力:Mary Childs.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE