ギリシャ、運命決める1週間入り-ブリュッセルでの協議決裂

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ギリシャ政府代表団と債権者の大詰めの交渉 が14日に決裂し、同国は自らの運命を決める1週間に突入した。

欧州委員会によると、14日のブリュッセルでの協議では債権者側の 要求とギリシャ政府の妥協案の間の溝が埋まらずわずか45分で終了。ギ リシャ支援をめぐる協議は18日にルクセンブルクで開催されるユーロ圏 財務相会合(ユーログループ)に焦点が移る。ギリシャがデフォルト (債務不履行)を回避できるかどうかは同会合の結果次第となる公算が 大きい。

欧州委は14日夜の声明で、「若干の進展があったが、大きな相違が 残り、協議は成功しなかった」と説明。「ユーログループ会合でさらに 話し合いが行われる必要がある」と指摘した。

反緊縮を掲げるギリシャのチプラス政権に対して救済基金の残り72 億ユーロ(約1兆円)の供与に道を開く方法を見いだせないまま今回の 協議は終了し、同国は身動きの取れない状況に陥りつつある。ユーロ圏 による救済の失効まで約2週間となり、将来的な融資の取り決めも成立 していないため、債権者側は各国議会が承認するための時間を考慮して ギリシャ支援合意の期限を6月14日としていた。

ブリュッセルでの協議決裂を受け、ユーロはニュージーランド時 間15日早朝、対ドルで0.4%下落し1ユーロ=1.1219ドルを付けた。

ユーロ圏財務相会合で協議がまとまらなくても、必ずしもギリシャ の命運が尽きることを意味しない。ECBが保有する約35億ユーロのギ リシャ債が償還を迎える7月までは、ギリシャ政府がため込んだ資金で 財政は持ちこたえられる可能性がある。だだそれでも協議が行き詰まっ たままならギリシャとユーロ圏に計り知れない影響が及ぶだけに、どの ような解決策に落ち着くにしても、18日の協議は重要な鍵を握ることに なる。

ユーロ圏離脱

ドイツのガブリエル経済相は15日付の独紙ビルトに掲載の論評で、 「ギリシャのユーロ圏離脱といった影が一段とはっきり見えるようにな りつつある」と述べ、「ギリシャのゲーム理論家たちは国の将来で賭け 事をしている。欧州の将来もだ」と指摘した。

財政緊縮に不満を持つ国民の支持を受けて4カ月余り前に政権の座 に就いたチプラス首相は、ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)の要求を 拒否してきた。主な対立点は年金カットや増税、プライマリーバランス の黒字目標値など。意見の溝を埋めることを目指すチプラス首相は対案 を提示するためブリュッセルに代表団を派遣していた。欧州連合 (EU)の行政執行機関である欧州委は週末の協議をユンケル委員長の 歩み寄りの「最後の試み」だと位置付けていた。

欧州委は協議終了後、「ギリシャの提案は依然として不十分だ」と し、必要な財政措置の年間の規模に関する双方の意見の隔たりはおよ そ20億ユーロだと説明した。

ギリシャ政府は2400億ユーロの支援プログラムを取りまとめたユー ロ圏とIMFが経済的に無意味で政治的に受け入れられない要求に固執 していると批判。ギリシャ代表団の1人であるドラガサキス副首相の14 日の声明によると、債権者側はプライマリーバランスの黒字目標をめぐ る双方の意見の差を年金削減と付加価値税(VAT)引き上げによって 完全に埋める必要があると主張したという。

ギリシャのバルファキス財務相は15日付独紙ビルトに掲載のインタ ビューで、同国による債務返済が可能になるのは債務を減免する再編を 債権者が受け入れる場合に限られると指摘。メルケル独首相が協議に参 加したなら「一晩で」合意に達するだろうと付け加えた。

ドイツではギリシャがユーロ圏から離脱するリスクへの警告が相次 いだ。メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)幹部のミヒャ エル・グロッセ・ブレーマー議員は14日のZDFのテレビインタビュー で、「ギリシャ政府が要求を実行しないなら、GREXIT(ギリシャ のユーロ圏離脱)を考慮に入れねばならない」と指摘。社会民主党 (SPD)党首を務めるガブリエル経済相は、「半ば共産主義の政権の 大げさな選挙公約のために、ドイツの労働者やその家族が犠牲となるこ とは許されない」と述べた。

原題:Greece Enters Fateful Week as Brussels Talks End Fruitlessly (1)(抜粋)

--取材協力:Alex Webb、Tony Czuczka、Emma O’Brien.

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